第14戦 ベルギーGP 2002
2002年9月1日(日)(ベルギー・スパ・フランコルシャン発)
過酷なベルギーGPで“トヨタTF102” 2台揃ってトップ10完走
ミカ・サロ7位、アラン・マクニッシュ9位。パナソニック・トヨタ・レーシングに復調の兆し
フランスGP決勝日を迎えたスパ・フランコルシャンは、眩しいほどの朝陽で夜が明けた。爽やかな青空にいくつかの白雲は浮かぶが、天候不順を懸念する各チームにも、続々とサーキットへと急ぐ大観衆にも、いつにない明るさが漂った。
しかし、午後1時の決勝レースを前に、午前中の青空には雲がかかり始め、お昼過ぎには、一面の曇り空。やはり、スパ・フランコルシャンの天候は気まぐれだった。天気予報の降水確率は低いものの、各チームとも、天候の変化に備えて、戦々恐々とスタートを迎えることとなった。
気温16度、路面温度19度、湿度54%というコンディションで全44周の決勝レースはスタート。ミカ・サロは、スタートで出遅れ10位、アラン・マクニッシュはスタートで順位を上げて12位から序盤戦へと突入した。11周目には、J・バトン(ルノー)が戦列を去り、各々9位、11位へと進出、15周目には、アラン・マクニッシュが予定通りのピットイン。続く16周目には、8位へと順位を上げたミカ・サロがピットイン。順位変動の少ない中盤戦は、ミカ・サロが9位、アラン・マクニッシュが12位で後半戦へと持ち込んだ。その後、29周目、30周目に各々2度目、予定通り最後のピットインを済ませたミカ・サロとアラン・マクニッシュの終盤戦への追撃は凄まじく、35周目を境に、相次ぎ戦列を去る上位陣を横目に37周目にはミカ・サロが7位へ躍進。アラン・マクニッシュも残り4周の40周目に9位へと進出。パナソニック・トヨタ・レーシングは、9台が戦列を去る過酷なベルギーGPで、今シーズン3度目となる2台揃ってのトップ10入りを果たした。優勝は、M.シューマッハ(フェラーリ)であった。
ミカ・サロ: #24 7位 44周/44周 シャシーTF102/07
「私にとってもチームにとっても、とても良いレースが出来た。ピットストップも完璧で、レース中は、大きな問題も発生せず、ドライビングもミスは犯さなかった。スタートからフィニッシュまで限界まで攻め抜いて、ポイント獲得へ、もう少しで手の届くところまで行っていたので、とても悔しい」
アラン・マクニッシュ: #25 9位 43周/44周 シャシーTF102/08
「多くのドライバーと戦うこが出来て満足している。トラクションコントロールに関するホイールセンサーに不調が出て、TF102の安定性に多少の問題を抱えたが、それ以外は大きな問題はなかった。2台共トップ10でフィニッシュ出来てとても嬉しい。このモチベーションを維持して残る3戦へと挑む」
チーム代表 オベ・アンダーソン:
「とても良いレースだった。久しぶりにポイントを獲得出来るレベルでレースを戦えた。TF102は信頼性を取り戻し、トップ10で2台共完走することが出来た。チームは本当に頑張ってくれた。2週間後のモンツァサーキットは、テストでは経験しているが、よりチャレンジングなものになると思う」
テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「過酷なサーキットの一つであるベルギーGPで両ドライバー共に上位を目指して全力で戦ってくれた。2台共トップ10で完走を果たすことが出来たことに満足している。今回の結果は、常に改良を重ねてきた成果であり、次戦モンツァに向けて、さらにポテンシャルの向上をはかる」
天候: | 晴れのち曇り |
気温: | 最低15℃ 最高16℃ |
路面温度: | 最低18℃ 最高19℃ |
湿度: | 54% |
T-CARシャシ-: | TF102/06(ミカ・サロ仕様) |
パナソニック・トヨタ・レーシングは、来週9月3日(火)から6日(金)までの4日間、イタリアのモンツァで行なわれるF1モンツァ合同テストに参加する。2台体制で、1台はアラン・マクニッシュが全日、もう1台は、前半2日間をテストドライバーのステファン・サラザン、後半2日間をミカ・サロがテスト走行をする予定。
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