第15戦 イタリアGP 2002
2002年9月6日(金)
ミカ・サロ - イタリアGPに向けて
来週末にあるモンツァ(イタリアGP)のレースはとても楽しみにしているよ。パナソニック・トヨタ・レーシングチームはスパのレースで2台が揃って完走できたし、僕も、6位入賞のE. アーバインとはたったの0.4秒差で完走したこともあって、みんなとても前向きになっているんだ。それに、TF102は、モンツァのサーキットと相性は良い方だと思うしね。
チームは、ここイタリア・モンツァのサーキットで、4日間に渡る合同テストを終了したところなんだ。チームのテストドライバーである、ステファン・サラザンとライアン・ブリスコは火曜日からテストを開始して、アランと僕が残りのテストセッションを行ったんだ。クルマの全体的なセットアップとミシュランタイヤのテストを重ね、エアロパーツも様々なものを試したよ。レースを実際に走る一週間前にこうして同じコースでテストをすることはとても効果的だ。金曜日に始まるフリープラクティスを前に問題を見つけて解決する時間があるわけだからね。
モンツァは、今シーズンのF1スケジュールに残っているサーキットの中で、最後の高速コースになる。時速320キロを超えるレースになるから、他のコースとは違うアプローチで臨まなくてはならないんだ。このコースでは2つの点に集中していかなくてはならない。一つは、ブレーキング中の安定性、そして、もう一つは縁石越えに合うようにクルマを調整することだ。
まずはブレーキング。高速走行中のブレーキングになるから、ラップ全体でもタイムの差がここで出てくる。直線でのスピードをより速くするために、リアウィングをねかせて空気抵抗を少なくすると、ブレーキングの際にクルマ、特にそのリア部分が不安定になってしまう。でも、これはサスペンションやバラスト、またタイヤ圧などでも改善できることだけれどね。
次に縁石。今シーズン、チームはTF102が縁石にうまく乗れないという問題をずっと抱えているんだ。最初にその問題に気付いたのは4月のサンマリノGPでのレースで、その後、2ヶ月後のカナダGPでのレースでも、また再発してしまった。その後、クルマには十分な改良を加えて随分改善されたけれど、それが問題解決につながるかどうかは、次の週末になるまでわからないね。
コースでの活動以外で言うと、イタリア人には熱烈なモータースポーツファンが多いから、モンツァはレースをするにはすばらしい場所なんだ。雰囲気も抜群だしね。もちろん、ティフォシたちはみんな一つのチームを応援しているのだけれど、参加しているチームすべてに敬意を払ってくれるようなファンたちなんだ。僕がレースをしてきて決して忘れることのできない思い出も、このモンツァで生まれた。1999年、フェラーリ時代の僕が3位に入ったときのファンの声援は熱狂的だったよ。表彰台の下にファンが押し寄せる光景は、とても特別なシーンで忘れることはできないよ。
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