第15戦 イタリアGP 2002

2002年9月10日(火)(イタリア・モンツァ・サーキット発)

超ハイスピード F1シリーズ最速のモンツァ・サーキットへ挑戦

今季ヨーロッパラウンド最終戦イタリアGP 先週のテストの成果に期待

2002年F1世界選手権第15戦イタリアGPは、今週末にイタリアのモンツァで開催される。ヨーロッパで行なわれる今シーズン最後のレースであり、また、1周5.79Kmの「Autodromo Nazionale di Monza」は、時速245kmの平均ラップスピードを記録するF1シリーズの中で最速のサーキットでもある。

モンツァ・サーキットは、絵のように美しいミラノの王立公園の中に位置し、イモラにて開催された1980年のレースを除き、1950年からイタリアGP開催のホームグラウンドとして長い歴史を誇る。また、その前身ともいえる、オーバルコースがミラノ自動車クラブにより1922年に作られたことからも、F1GP開催サーキットの中でも最も古いコースといえる。

パナソニック・トヨタ・レーシングは、先週、このモンツァ・サーキットで4日間にわたる、有意義なテストを行なった。テストドライバーのステファン・サラザンとライアン・ブリスコが、火曜日にテストを開始し、その後、ミカ・サロとアラン・マクニッシュの両ドライバーがテストを受け継いだ。今回のテストでは、基本的なセットアップを進めるとともに、新しい空力部品のテストや、ミシュランの新しいコンパウンドのタイヤテストなどを行い、多くの成果を得た。

このモンツァ・サーキットでの、パナソニック・トヨタ・レーシングにとっての難関のひとつは、"トヨタTF102"がいかにして、3ヶ所のシケインで縁石をうまく利用して通過出来るかである。これは、以前、イモラ・サーキットとカナダ・モントリオールでも課題であったが、チームのエンジニア達は、先週のテストにおいて"重要な進歩"を遂げたと実感している。

オベ・アンダーソン:
「信じ難いことだが、もう今シーズン最後のヨーロッパ戦となってしまった。我々のF1参戦初年度は、それほど早く過ぎ去ろうとしている。2週間前、スパで今年最も充実したレースを戦い抜いた力を、モンツァへ継続出来ることを願っている。さらにチームの一体感を高め、この好調さを維持してヨーロッパ戦を締めくくりたい」

ミカ・サロ:
「前戦スパでは、素晴らしいレースをすることが出来た。そして今度はモンツァを楽しみにしている。モンツァは、他のどのサーキットにもない雰囲気を持つ特別なサーキットであり、ホッケンハイムが改修された今、モンツァは、F1シリーズの中で、本当にハイスピードのサーキットであり、自分への挑戦でもある。そして、ここのファンは、フェラーリをこよなく愛しているが、グリッドに並ぶ他のチームにも敬意を持ってくれている。ありがたいことである。」

アラン・マクニッシュ:
「モンツァは超高速サーキットなので、最も重要なのは優れたエンジンだ。我々は、"RVX-02"という性能の高いエンジンを持っている。先週モンツァで3日間のテストをして、大きな成果を得られたので、万全の体制でレースに臨めると実感している。レースの成り行きを予想するのは、容易いことではないが、少なくともスパと遜色の無い戦いが出来ることを願っている」

ミカ・サロは、モンツァ・サーキットについて、「私が3位に入賞した1999年以来、モンツァは私にとって特別な存在だった。常にここでは、レースを楽しみ、ハイスピードを楽しんで来た。勿論、パワーも大事だが、セットアップに関しては、ブレーキをかけながらの安定性確保に集中する。時速330kmもの高速から激しくブレーキペダルを踏んだ時、少ないダウンフォースのもとで、方向性を失うことなく、安定性を保たなくてはならない。さらに考慮せねばならないことは、シケインの通過の際に、タイヤが浮いた時のトラクションの得方であり、このような車が横滑りする状況が多々ある。いずれにしても素晴らしいチャレンジには違いない」と語った。