第15戦 イタリアGP 2002

2002年9月13日(金)

イタリアGPフリー走行レポート

全17戦で闘われるFIAフォーミュラ・ワン世界選手権シリーズの第15戦イタリアGPは、ヨーロッパにおける今シーズン最後のレースとなる。グランプリの舞台となるモンツァは、歴史的なドラマが展開されてきたサーキットだ。

モンツァ公園の中にあるサーキットは、1970年代の初頭までほとんどアクセル全開で周回する特異なコースであった。<モンツァ・スリットストリーマー>として知られ、レースの勝敗は、最終コーナーのギヤ比をどう設定して走行するかにかかっていた。

現在は、シケインが設置されて、平均速度は遅くなったものの5.793kmのサーキットは依然としてクルマのダウンフォースを少なくし、アクセル全開のセクションが多い。だが、各シケインの立ち上がりでのトラクションとパワーはエンジンの性能にかかっており、パナソニック・トヨタ・レーシングにとっては真価を発揮できる場でもある。初日のフリー走行では、ミカ・サロが1分23秒925のタイムで6番手に、チームメイトのアラン・マクニッシュは、第2セッションの大半をメカニカルトラブルで走行できなかったが、1分25秒546で18番手となっている。

「少しアンダーステアーが出たけれど、それ以外クルマの調子は良いね。スパ(ベルギーGP)もそうだったけれど、ここモンツァもわれわれのクルマにすごく合っているんだ。先週ここでテストしたとおりにダウンフォースを少なくしたセットがエンジンの特性にも合っていて、それがわれわれのアドバンテージになっているんだ。決勝でもいい結果が出せると思うよ」とサロはコメントしている。

マクニッシュは、先週のテストよりクルマのバランスが悪く、第1セッションからアンダーステアーのトラブルに見舞われていた。

「第2セッションでランチスタートをテストしたしたらギヤボックスに問題が出て止まってしまったんだ。チームスタッフの素晴らしい作業によってセッション時間内になんとかクルマのリヤセクションを交換できたけれど、まともには走行できなかった。少しでも無駄にできないふたつのセッションを有効に使えなかったことは、週末のスタートとしては最悪だ」とマクニッシュはコメントしている。

テクニカル・コーディネーターの高橋敬三は、初日を振り返って「今日のフリー走行では、先週のテストデーターを活用してとても良い感触を得ています。ハイスピードサーキットのモンツァはTF102に合っています。そして、ミカのクルマで良いセットアップをすることができました。アランは、第2セッションの最初にランチ・コントロール・スタートを試みたときにギヤボックスに関係するトラブルが発生してほとんど走れませんでした」とコメントしている。

フェラーリチームは、熱狂的なサポーターの前で、Mシューマッハーがトップタイムを叩き出し、0.22秒差でRバリチェロが続いた。マクラーレン・メルセデスのKライコネンが3番手、ジャガーチームのE アーバインが4番手、昨年の優勝者ウイリアムスBMWのJPモントーヤが5番手、そして6番手がサロというトップ6だ。