第15戦 イタリアGP 2002

2002年9月13日(金)(イタリア・モンツァ発)

イタリアGPの超高速バトルを前にプラクティス初日はミカ・サロが6番手

アラン・マクニッシュは不運のギアトラブルに見舞われタイムアップかなわず

パナソニック・トヨタ・レーシングは、今シーズンのヨーロッパラウンド締めくくりとなるF1第15戦イタリアGPへ向けて、プラクティスを開始した。イタリア第2の都市ミラノから北東に約25kmのモンツァ市内に位置する旧王立公園内の1周5.793kmのコースは、深緑の森の中を駆け抜けるF1シリーズ最速のサーキット。パナソニック・トヨタ・レーシングは、先週このモンツァ・サーキットで行なった4日間にわたるF1合同テストの成果を発揮すべく、最後のセットアップへと邁進した。

プラクティス初日の朝は曇り。昨夜の雷雨は去ったものの、今にも雨の降りそうな肌寒い天気の中、午前11時から午後2時までの間、1時間のインターバルを挟み、1時間づつ2回のセッションが行なわれた。午前中の1回目のセッションは、気温17度、路面温度18度、湿度51%というコンディション。異なるタイヤを試しながら、決勝レース用セッティングを煮詰めたミカ・サロは、1分25秒270で12番手、アラン・マクニッシュは1分26秒126の17番手であった。

午後1時から行なわれた2回目のセッションを前に、曇り空から薄日が射し始め、気温も幾分上昇。気温21度、路面温度27度、湿度42%へとコンディションが変わる中、さらに決勝レースへ向けたセットアップが続けられた。各チーム共、先週のテストで基本セットアップを見出しているだけに、僅差でタイムアップが刻まれたが、21周をこなしたアラン・マクニッシュは、ギアに不調を抱えピットイン。修復後に終盤2周をしたものの、1分25秒546からのタイムアップを断念。しかし、ミカ・サロは38周を走行し、1分23秒925を記録、6番手タイムでプラクティス初日を終えた。

ミカ・サロ: #24 1分23秒925 6番手 周回数38周 シャシーTF102/07 
「我々の“TF102”に適したサーキットで、再びエンジン性能を有効に発揮出来た。さらに低いダウンフォースでも影響を受けないことも、我々の利点となった。先週ここで行なったテストは、レースへと大きな手応えとなっており、今日の2回のセッションでもハンドリングに若干の問題があった以外、大きな問題は発生しなかった。とても良く仕上がっており、嬉しい」

アラン・マクニッシュ: #25 1分25秒546 18番手 周回数23周 シャシーTF102/08
「今日は、走り出しからバランスが悪く、若干の変更を試みたものの、解消せず苦しい1日だった。2回目のセッションで、ローンチコントロールを使ってスタートしようとしたが、ギアボックスに問題を抱えてしまった。しかし、スタッフは車体後部の交換を素早く行なってくれた。金曜日に時間を失ったのは、決して良い週末の始まりとは言えないが、幸いにも先週テストを行なっていることからも、大きな影響は無いと思っている」

チームマネージャー アンジュ・パスカリ:
「まずまずの週末のスタートだ。ミカ・サロは、バランスの問題も解消したが、アラン・マクニッシュは、2回目のセッションでギアボックスに問題を抱えてしまった。チームのメカニック達は、短時間に車体後部を交換する素晴らしい作業をしてくれたが、この問題点の解析は徹底して行なわねばならない。ただ、TF102のスピードは満足のいくもので、明日朝は、セットアップへの細部の調整を必要としているにすぎない」

テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「先週のテスト結果を活かし、超高速のモンツァ・サーキットに順応することが出来た。ミカ・サロは、決勝用セットアップが順調に仕上がり、満足いくレベルに達したが、アラン・マクニッシュは、ローンチコントロールのチェックの際に1速ギアを痛め、修復に時間を割かれタイムアップを逸してしまった。明日の予選には、新スペックのエンジンを投入予定なので、ベストを尽くしてアタックする」

<イタリアGPプラクティス初日>

天候: 曇り
気温: 最低18℃ 最高21℃
路面温度: 最低18℃ 最高27℃
湿度: 47%
T-CARシャシ-: TF102/06(ミカ・サロ仕様)

明日の公式予選は、午後1時から2時(日本時間9月14日午後8時から9時)まで行われる。