第15戦 イタリアGP 2002

2002年9月15日(日)(イタリア・モンツァ発)

イタリアGP超高速バトルでパナソニック・トヨタ・レーシング健闘虚し

ミカ・サロ上位復帰ならず11位。アラン・マクニッシュはサスペンショントラブルでリタイヤ

イタリアGP決勝日を迎えたモンツァは、水墨画のような朝もやの中で夜が明けた。朝陽と共に雲ひとつ無い青空が広がり、気温も上昇。F1GPの中で最も熱狂的な"ティフォシ"達の"真紅"の人並みが、F1GP最高速バトルの展開されるモンツァ公園の深い緑へと吸い込まれていった。

午前9時半から30分間のウォームアップは、気温17度、路面温度25度というコンディション。最後のセッティング確認を行ない、昨日の予選用から実戦へと煮詰めを行なったパナソニック・トヨタ・レーシングは、ミカ・サロが14周し、1分25秒751の9番手、アラン・マクニッシュが12周し、1分26秒081の12番手で決勝レースへと臨むこととなった。

午後2時に決勝レースへのフォーメーションラップがスタートしたが、J.トゥルーリ(ルノー)が出遅れ、最後尾についたことで、ミカ・サロは10番手、アラン・マクニッシュは12番手からのスタートとなった。緊張のスタートを上手くかわしたパナソニック・トヨタ・レーシングは、アラン・マクニッシュが7位、ミカ・サロが9位で第1コーナーへ。さらに1周目にD.クルサード(マクラーレン・メルセデス)が後退、4周目にR・シューマッハ(ウィリアムス・BMW)が早々と戦列を去ったことで、アラン・マクニッシュは6位、ミカ・サロは7位で序盤戦に突入した。

しかし12周目には、最高速361.5km/hを記録し力走するアラン・マクニッシュがサスペンションにトラブルを抱えてピットイン。一旦レースへと復帰したものの、無念の戦線離脱。6位へと進出したミカ・サロの孤軍奮闘に期待することとなった。30周目にK.ライコネン(マクラーレン・メルセデス)のリタイヤを横目に4位へと浮上し、予定通りピットインをしたミカ・サロは、10秒で素早くピットアウト。しかしコースインの際に白線を踏み、無念のペナルティ。再度のピットロード通過を課せられ、11位へと後退。ミカ・サロは果敢なアタックを続けるが、上位への復帰は叶わず、11位でチェッカーフラッグ。ポイント獲得も見えたレースを悔しい結果で終えた。優勝はR.バリチェロ(フェラーリ)であった。

ミカ・サロ: #24 11位  52周/53周  シャシーTF102/07 
「とても厳しいレースだった。最初のタイヤで、ブリスターが発生してしまい、ひどいオーバーステアに悩まされた。ピットインは上手くいったが、ピットレーンの出口で白線を横切ってしまった。ペナルティを受け11位に後退して、上位復帰は難しくなってしまった。ペナルティが無ければポイント圏内にも留まれたと思うだけに、とても悔しい」

アラン・マクニッシュ: #25 リタイヤ 13周/53周 シャシーTF102/08
「フロントサスペンションに不具合を抱えたようだ。レース開始直後から異常を感じ始めていたが、特にアスカリ・シケインでのブレーキングで、クルマが不安定になっていった。徐々に状態が悪くなり、修復不可能となってしまい、レースを諦めなくてはならなかった。上手いスタートを切れて、10周目には6位にまで躍進してのリタイヤなので、本当に残念だ。今日は、チャンスがあったのだが…」

チーム代表 オベ・アンダーソン:
「レースウィークを通じてパフォーマンスが出ていただけに、最後は、とても悔やまれる結果だ。今日は、アラン・マクニッシュもミカ・サロも、ポイントを獲得出来るポテンシャルを持っていたと確信している。次戦アメリカGPは、テストも行なっておらず、我々にはハンディのあるレースで、どのように戦うかは、未知だが、じっくりと構えてレースへと臨みたい」

テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「ポイント獲得の可能性もあったレースを不本意な成績で終わってしまい、本当に悔しい。この悔しさをバネに、アメリカ、そして日本で、残された2戦を心機一転上位争いへとチャレンジする」

<決勝>
天候: 晴れ時々曇り
気温: 最低23℃ 最高25℃
路面温度: 最低32℃ 最高36℃
湿度: 46%
   
T-CARシャシ-: TF102/06(ミカ・サロ仕様)