第16戦 アメリカGP 2002
2002年9月24日(火)(アメリカ・インディアナポリス発)
大西洋を越えて“ブリックヤード”での戦い 第16戦アメリカGPへ
未知のインディアナポリス戦を前に、シミュレーションでチェック。難コースへ挑戦
パナソニック・トヨタ・レーシングは、残り2戦となった2002年F1選手権のひとつ、アメリカGPへと大西洋を渡った。開催3年目を迎えるアメリカGPは世界的にも有名なインディアナポリス・スピードウェイで行われる。
チームは、これまで一度もインディアナポリスを訪れたことがないため、この全長4.192kmのオーバルコースとロードコースが半々で構成されるユニークなコースを、ケルンのファクトリー内でのシミュレーションに頼って、セットアップせざるを得なかった。しかし、パナソニック・トヨタ・レーシングの数名のスタッフとミカ・サロは、インディアナポリスでレースを戦ったことがあり、その経験が、チームの相対的なパフォーマンスを高めるために極めて重要となっている。
ブリックヤードで名高いインディアナポリスは、1909年に煉瓦で作られたオーバルコースに起源を発するが、その長さ1kmのメインストレートのお陰で、他のどのF1開催サーキットよりもフルスロットルでの走行が長いという特徴をもっている。そして決勝日には、およそ25万人もの観客を集め、他のF1GPの約2倍のレースファンを受け入れることが出来る。
パナソニック・トヨタ・レーシングは、先週ポールリカールでテストを行った。ミカ・サロとアラン・マクニッシュの両ドライバーが、アメリカGPへ向けて、集中的に4日間のテストセッションをこなし、数々の新しい空力部品を試した。また、テストドライバーのステファン・サラザンは、来シーズン用のRVX-03エンジンと7速のギアボックスを搭載した進化型“トヨタTF102B”のテストを4日間行った。
オベ・アンダーソン:
「これまで一度もテストを行っていないインディアナポリスは、我々にとって、とても厳しいコース。シミュレーションからも、とてもテクニカルなコースと理解している。シーズン初めに比べ、我々は“トヨタTF102”の実力を良く理解している。新しいコースを学ぶ精度も上がってきているはずだ。そして、とても興味深いチャレンジに違いない」
ミカ・サロ:
「インディアナポリスへ行くことは、有名なコースであり、偉大な歴史を持つことからも意義深い。しかし、決して我々の“トヨタTF102”に適したコースとは言えないことからも、困難な週末が待ち構えていると思う。きっと金曜日にライバル達は、さらに仕上げへと調整するだろうが、我々は、一度も走ったことが無いのだから、基本セッティングを見出すのが、精一杯だろう。我々が、前戦モンツァでポイント獲得に、もう少しという戦いをしたのと同じくらい、ここで良い結果を得ることの喜びは大きいと思う」
アラン・マクニッシュ:
「インディアナポリスには、これまで行ったことが無いが、多くの歴史を持つだけに、訪れるのがとても待ち遠しい。コースレイアウト図は確認したが、重要なのは、インフィールドのセクションと思われる。さらに、レースでウィングを効かせると、ピット前のストレートを遅くし、追いつかれる可能性も出てくる。とにかく、この経験のすべてを楽しみにしている」
ミカ・サロは、インディアナポリスについて「私は、ブリックヤードで2000年に初めてのレースを戦った。そして、ドライバーの立場からすると、インフィールドのセクションは、3ヶ所のコーナーが1速ギアで走行せねばならない超低速であり、それほど凄いコースでもない。しかし、ストレートの最後では時速330Kmにも達してしまう。そのように、非常に速く、追い越しのチャンスも巡ってくる。そして、ピット前のストレートでは、グランドスタンドを埋め尽くした大観衆が、インディならではの雰囲気を盛り上げる。多くのファンがショーを楽しんで、F1GPに理解を深めてくれることを望んでいる」と語った。
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