第16戦 アメリカGP 2002

2002年9月27日(金)(アメリカ・インディアナポリス発)

初めてのインディアナポリスで “トヨタTF102”順調なセットアップ

アメリカGPプラクティス初日でミカ・サロ12番手、アラン・マクニッシュ14番手

パナソニック・トヨタ・レーシングは、F1参戦初年度の、鈴鹿を含むラスト2戦となる遠征戦の緒戦、第16戦アメリカGPへ向けて、プラクティスを開始した。毎年約40万人を集客するアメリカ最大、伝統のレース「インディ500」の行われるインディアナポリス・スピードウェイは、オーバルコースと、インフィールドのロードコースを繋ぐF1用コースも整備され、3回目となるF1グランプリ開催へ向けすっかり模様替え。より華やかさを増した中に、F1ならではの緊張感が漂っている。

プラクティス初日は朝から小雨。しかし、午前10時過ぎには青空が覗きはじめ、肌寒かった気温も太陽が顔を出すとともに徐々に上昇。午前11時から午後2時までの間、1時間のインターバルを挟み、1時間づつ2回のセッションが行なわれた。

午前中の1回目のセッションは、気温21度、路面温度25度、湿度73%というコンディション。パナソニック・トヨタ・レーシングは、まったく初めてのコースへと、セッティングを開始した。2年前、初開催のこのコースでレースを戦った唯一の経験を、チームへとフィードバックするミカ・サロは、セッション開始30分後には、トップタイムのM.シューマッハ(フェラーリ)、O.パニス(BARホンダ)に続く3番手タイムを刻んでいたが、直後に、R.バリチェロ(フェラーリ)が最終コーナー、オーバルコースのピット前ストレート入口、第13ターンでクラッシュ。赤旗中断となり、午前のセッションは12時19分まで延長された。この1回目のプラクティスで、ミカ・サロは1分16秒200で12番手、アラン・マクニッシュは1分16秒873の18番手であった。

午後1時からの2回目のセッションは、雲の切れ間の青空から時折強烈な太陽が射す中で開始された。気温も上昇し、気温25度、路面温度30度、湿度54%へとコンディションが変わる中、決勝レースへ向けたセットアップが続けられた。スピンなどが相次ぐ中、順調にセットアップを進めたミカ・サロとアラン・マクニッシュは、僅差のセットアップ戦を、各々1分15秒421の12番手、1分15秒589の14番手となるタイムを刻んでプラクティス初日を終えた。

ミカ・サロ: #24 1分15秒421 12番手 周回数38周 シャシーTF102/07 
「今日は、とても順調だった。金曜のプラクティスですべきことは、全てやることが出来、大きな問題も無かった。いくつかの新しい空力部品も持ち込んだが、とても良い感触だった。決勝レースへ向け、安定性を増すセットアップを行うことが出来た」

アラン・マクニッシュ: #25 1分15秒589 14番手 周回数46周 シャシーTF102/08
「前半のセッション最初で、ドライブシャフトに不調を抱えてしまったが、セッションの終わりには、良いトータルバランスを見つけることが出来た。タイヤの比較も行ったが、決勝レースへ向けての、ミシュランタイヤにも満足している。ただ、リアのグリップ力など、全体的なグリップ力を増すために今夕も解析作業を進める」

チームマネージャー アンジュ・パスカリ:
「まったく初めて走行するサーキットなので、とても興味深いセッションとなった。ミカ・サロもアラン・マクニッシュもセットアップとバランスの向上をはかったが、さらに、明日のプラクティスで煮詰めるつもりだ。残念なことに、セッション最初にドライブシャフトのトラブルに見舞われて、セットアップの進行が多少遅れてしまったが、チームとしてはコースのデータも取ることが出来、決して悪い週末へのスタートではなかった」

テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「初めてのインディアナポリスで、決勝セットアップを行ったが、ミカ・サロの経験も活かせて、ほぼバランスのとれたセッティングを見つけることが出来た。アラン・マクニッシュも初めてのコースにもかかわらず、順調な仕上がりを見せている。明日の予選も僅差の混戦が予想されるが、手応えは感じている」

<アメリカGPプラクティス初日>

天候: 曇りのち晴れ
気温: 最低20℃ 最高25℃
路面温度: 最低20℃ 最高30℃
湿度: 67%
T-CARシャシ-: TF102/06(アラン・マクニッシュ仕様)

明日の公式予選は、午後1時から2時(日本時間9月29日午前3時から4時)まで行われる。