第16戦 アメリカGP 2002

2002年9月29日(日)(アメリカ・インディアナポリス発)

アメリカンレースの“聖地”インディアナポリスで“トヨタTF102”奮闘

初参戦のアメリカGP ミカ・サロとアラン・マクニッシュがトラブルを克服し14位、15位

決勝日を迎えたアメリカン・モータースポーツの“聖地”インディアナポリスは、真っ赤な、そして大きな朝陽とともに夜明けを迎え、やがて雲ひとつない澄んだ青空が広がった。

午前8時半から30分間のウォームアップは、気温17度、路面温度19度というコンディション。最後のセッティングで、昨日の予選用から一新し、決勝用へと煮詰めを行なったパナソニック・トヨタ・レーシングは、ミカ・サロが14周し、1分13秒867の6番手、アラン・マクニッシュが15周し、1分15秒220の18番手を刻み、決勝レースへと臨むこととなった。

午後1時スタートの決勝レースは、気温26度、路面温度35度、湿度46%というコンディションで激戦に突入。上手いスタートを見せた予選16番手のアラン・マクニッシュと、予選19番手のミカ・サロは、R.シューマッハ(ウィリアムスBMW)とJ.モントーヤのチームメイト同士の接触を横目に2周目には各々13位、14位へと躍進。さらに3周目には、ミカ・サロがアラン・マクニッシュをパスし、13位へとポジションアップをはかり序盤戦を開始した。26周目には予定通り、ミカ・サロがピットインしたものの、17位へと後退。その直後から油圧系にトラブルを抱え、中盤戦での上位復帰に苦戦することとなった。

一方、1回の給油作戦をとるアラン・マクニッシュは、11位まで順位を上げて42周目にピットイン。52周目に作戦通り2回目のピットインを行ったミカ・サロが14位、アラン・マクニッシュが15位で終盤戦へ持ち込んだ。ミカ・サロは、ピットとの双方向テレメトリーも駆使し、走行中に必死の修復対策を施しながらの力走。また、アラン・マクニッシュもセンサー系に不調を抱えながら、73周目のチェッカーフラッグを目指すなど、苦しい戦いを強いられた。そしてパナソニック・トヨタ・レーシングは、初めてのアメリカGPを、ミカ・サロが14位、アラン・マクニッシュが15位でフィニッシュ。優勝はR.バリチェロ(フェラーリ)であった。

ミカ・サロ: #24 14位  71周/73周  シャシーTF102/07 
「スタート当初は良いレースが出来、“TF102”の感触も良かった。しかし、最初のピットイン後、エンジンのミスファイアに見舞われてしまった。ピットのエンジニアが問題の対策を講じてくれたが、さらに、油圧系にも問題を抱えることとなり、上位進出ははかれなくなってしまった。序盤の調子が良かっただけに、残念なレースになってしまった」

アラン・マクニッシュ: #25 15位 71周/73周 シャシーTF102/08
「とても過酷で疲れるレースであった。スタートから右と左のコーナリングで、ハンドリングに大きな差が出てしまい、徐々に悪化。とても運転が難しくなり、右に切るとステアリングがロックしてしまい何とかピットに戻れただけでも良しとしなければならない状態だった。15位以上も狙えたはずだが仕方ない。次戦は最終戦日本GP。トヨタの母国レースで上位を目指して、シーズンを締めくくりたい」

チーム代表 オベ・アンダーソン:
「困難な一週間だった。これまで経験しなかった問題をいくつも抱えてしまった。しかし、一方では、双方向テレメトリーを使用してトラブルに対処したことは価値あることだ。今回も我々は、多くのことを学んだ。このサーキットは、とても難しく、とくにエンジンにも厳しかったが、2台共完走を果たせたことは良かった。次の日本GPは、忙しいレースになると思うが、日本のファンの皆様に良い結果をお見せ出来るように頑張りたい」

テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「今日のレースでは、2台共にトラブルが出てしまったが、レース中に双方向テレメトリーで、修復をはかり、初めてのサーキットで完走を果たすことが出来た。残されたF1参戦初年度締めくくりとなる日本GPに向けて、トラブルを徹底的に解析して、万全の体制を整えて臨むつもりだ」

<アメリカGP決勝>
天候: 晴れ
気温: 最低25℃ 最高28℃
路面温度: 最低30℃ 最高35℃
湿度: 46%
   
T-CARシャシ-: TF102/06(アラン・マクニッシュ仕様)

パナソニック・トヨタ・レーシングは、来週10月1日(火)から3日(木)までの3日間、スペインの バルセロナにおいて、日本GPに向けたテストを行う。ステファン・サラザンとライアン・ブリスコが テストを担当する予定。