第16戦 アメリカGP 2002
2002年10月1日(火)
アラン・マクニッシュ - アメリカGPを振り返って
タフなレースだったよ!実際、僕は予選16位、レースは15位という結果だったわけだけれど、もっと良い結果が出せる可能性は十分にあったよ。
レースの作戦についての打ち合わせで、今回は僕とミカでは違う作戦で戦いに挑むこととなった。ミカは2ストップ作戦、そして僕は、ミシュランタイヤを使用している他のドライバーと合わせて、1ストップ作戦だ。
1ストップ作戦ということは、燃料をたくさん積むために車体も重くなり、僕にとってはハードなレースになってしまうということだ。はじめのうちは、クルマが重いせいだけでなかなか思い通りにいかないのだと思っていたのだけれど、それだけではなかったんだ。
何が原因だったのかは、はっきりわかっていないのだけれど、どこか良くない部分があって、クルマが左へ左へと曲がろうとする傾向にあった。数周走ったところから、ハンドルがどんどん重くなっていったんだ。多分、パワステのシステムに異常があったのだと思う。そのため、バンクで水平を保つのに苦労してしまい、また最初のインフィールドは右カーブばかりなので、本当に大変だったよ。
色々な問題もあったけれど、とにかくペースをあげるのに苦労したのは、2ストップ作戦で走ったクルマが多かったからだね。ミカは、今回僕よりも3位下からのスタートだったのだけれど、4周目には既に僕を追い越していた。モニター上では、僕とミカがかなり近距離で走っているように見えたと思うけれど、ミカは2ストップ作戦だったし、ストレートに差し掛かるころには、僕のすぐ後ろになることがわかっていたんだ。
とにかく、燃料が減ってパフォーマンスを上げられるようになるまでの我慢だと思って頑張ったよ。15~20周走った時点では、1ストップ作戦を取っているクルマは全体的に苦労しているようだったからね。でも、残念なことに、ステアリングの問題があったために、作戦の強みを生かすこともできず、15位に食い込むことさえ必死だったんだ。
インディアナポリスは、確かに歴史のあるサーキットで、日曜日にあれほどの観客であふれかえっているのを見て、とてもいい気分になったよ。インディ500は、聞くところによると単発のスポーツイベントでは世界最大級らしいけれど、40万人もの観客が押し寄せるなんてきっと素晴らしい光景なんだろうね。
インディには前にも来たことがあるんだ。Hall of Fame(サーキット内の博物館)にも1995年と翌年の1996年に行ったし、フォンタナでのスーパースピードウェイレースも観戦したよ。とはいっても、実は僕はオーバルレースの歴史については、特別な思い入れというものは持っていないのだけれど。また、このサーキットもオーバルとインフィールドセクションの両方の特徴を合わせ持つところがあると思うんだ。アメリカGPは関係者もみんな一生懸命で、イベントもとても盛り上がっているし、フォーミュラワンがアメリカで開催されるということがとても重要なことなんだ。
インディ500の関係者と話をするのはいつも本当に楽しいよ。帰りのフライトでは、1985年のインディ500を制したダニー・サリバンと一緒だったのだけれど、彼の持つテクニックについての話は本当に興味深いものだったね。
今はちょうど土曜日に日本へ発つまでの間、数日の休暇を取っているところだよ。日本GPは僕達にとって本当に特別なレースだし、トヨタのホームレースということもあって、プロモーションイベントもたくさんスケジュールされていて、忙しくなりそうなんだ。シーズン最後のレースだし、上位を狙っていくつもりだよ。
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