第1戦 オーストラリアGP 2003

2003年03月04日(火)

オリビエ・パニス - 開幕戦に向けて

メルボルンのアルバートパークサーキットは、F1の開幕戦として最高だね。誰もが今年のクルマが実戦でどのようなパフォーマンスを示すか注目している。

オーストラリアに向かう前に日本に立ち寄って、3月2日(日)に開催されたファンイベントと、3月3日(月)のトヨタ自動車のプレスコンファレンスに出席した。今のこの時期は、僕にもクリスチアーノ(ダ・マッタ)にとっても忙しい時だけれど、開幕直前に日本のファンに会えるのはとても楽しみにしていたんだ。それにしても日本のファンからの力強いサポートにはいつも驚かされる。僕達は世界中のファンから受けるこのようなたくさんの応援によって、さらにモチベーションを高めることができるんだ。

1月からTF103のテストを開始して着実に開発が進み、今僕自身、確実な手応えを感じている。テストを重ねる毎にクルマが進歩して、最初にポールリカールでドライブした段階から比べるとフィーリングはすごく良くなっている。ポールリカールでの新車発表以降、3000Km以上に及ぶテストをこの2ヶ月の間に消化した。今年の開幕戦、オーストラリアGPからレギュレーションが大きく変わり、よりチャレンジングになるけれど、クルマの感じはいいとはっきり言えるよ。

僕はワンラップの予選ルールの導入については、それほど気にかけてはいないんだ。これまでも、最初の1周目からめいっぱい行くのが僕は好きだから、このシステムは自分に合っているんじゃないかと思っているけれど、いろいろ起こりそうなのは確実だね。速い車がスターティンググリッドの前の方に並ばない方がサーキットの観客にとっても、TVで見る人にとっても面白いのではないかな。

これまで8回オーストラリアGPには出場しているけれど、2回がアデレードで、6回がアルバートパークだった。このメルボルンのサーキットは良く知っているコースのひとつだ。コースは普段公園内の公道として使われているから、F1カーが走る初日はとても埃っぽい状況になっている。一本のクリアーなレーシングラインを外してしまうと、ミスをしやすくなってしまい、特にたった一周しか走れない予選では貴重な時間を無駄にすることになる。僕は、アルバートパークで1997年にプロストチームの時に5位に入った最高位を含めて、トップ8内で3回フィニッシュしている。今年は、より上位を狙いたい。

パナソニック・トヨタ・レーシングのドライバーとしてデビューするのが本当に待ち遠しい。昨年の11月に最初のテストを行ってからこれまで、本当に忙しかった。けれど、これまでどれだけのことを成し遂げてきたかということと、現状のチームの体勢からしても、充分それに見合う、価値ある時間を過ごしてきたんだと言える。これから新たなチャレンジの週末が始まる。超過密なハードワークをこなしてきたチームスタッフに応えるためにも、この初戦でポイントをつかみ獲れるよう全力でいくつもりだよ。