第2戦 マレーシアGP 2003
2003年03月17日(月)
オリビエ・パニス - マレーシアGPに向けて
マレーシアGPにはとても自信があるんだ。初戦のメルボルンでパナソニック・トヨタ・レーシングのTF103 は、チームの士気高揚に重要な速さを証明できた。今度は、シーズンイン前のテストで示した信頼性を発揮して良い結果をできるだけ早く出さなくてはならない。
オーストラリアGPの後、ヨーロッパに戻って家族と過ごし、そして南スペインのヘレスで2日間のテスト行った。素晴らしい天候に恵まれて、クルマにはほとんど問題もなく、多くのラップをこなし、そして多くのデータを得ることができた。
テストでは、エンジンブレーキを改良するなど、多くのパーツテストを行って手応えを感じた。また、4月の初旬に開催される第3戦ブラジルGPに向けて、ミシュランとタイヤテストを行ったので、ブラジルではマッチングの良いタイヤでレースができそうだ。もちろん、今週のセパン(マレーシアGP)も同じように期待している。ミシュランと一緒に参戦できてとてもハッピーだし、過去の記録を見ると、ミシュランはマレーシアにマッチしたタイヤを供給していることがわかるので、それも僕達にとっては良いニュースだ。
セパンのサーキットは大好きだ。全長5.543キロという長いコースにあらゆるタイプのコーナーがちりばめられているので、クルマの長所と短所がすぐにわかってしまう。路面はスムースでコース幅が広いため、走行ラインをいくつかチョイスできるコーナーがいくつかあり、追い越しがしやすい。
セパンの平均速度は速く、地理的には離れているけれど、TF103でこの冬にテストしたバルセロナに似ている。バルセロナでは僕達は速かった。それが、マレーシアGPに自信を持てるもう一つの理由でもある。
セパンで速く走るためには、何をさておいても次の三つのことが重要だ。トラクション、空力グリップ、そして空力効率。長いストレートに続くふたつのヘアピンを含むスローコーナーがいくつかあるために、コーナーの出口ではトラクション、ストレートではトップスピードが重要だ。長いストレートでは空力の効率が燃費を左右し、コースの中ほどの高速セクションでの方向転換では空力グリップが不可欠だ。これらのエリアー全てで僕達はアベレージ以上であると思っている。
ドライバーにとっては、おそらくこのマレーシアGPがシーズン中最も体力的にきついレースだ。赤道直下にあって、ものすごい湿度と高温に対してヘルメットを被ってレーシングスーツを着て立ち向かなくてはならない。ハードなトレーニングを積み、このようなコンディションにも対応できる準備はしてきているけれど、レース中に2リッターにも及ぶ汗をかくことはやはり疲労する。
パナソニック・トヨタ・レーシングのチームドクター、リカルド・チェッカレリは、僕達ドライバーにスタート前にできるだけ多くのドリンクを飲ませ、そしてクルマには1リッターのドリンク・ボトルを持ち込むように指示する。でも、絶対にドリンクは足りなくなるんだ。
これまでセパンのレースは、前回のメルボルンで起こったように、午後早めの雨によって運不運があった。でも、メルボルンでは、レースをドライタイヤでスタートさせるという、チームのタイヤチョイスの判断がとても素晴らしかったので、マレーシアで同じような状況になっても、再び僕達は、正しい判断を下せると信じている。今週末の目標は、レースを完走すること。そして完走できたとしたら必ずポイント獲得できているはずだ。
- トヨタ自動車 モータースポーツ カーレースカテゴリー