第2戦 マレーシアGP 2003

2003年03月23日(日)

マレーシアGP 決勝レポート

パナソニック・トヨタ・レーシングに再び開幕戦のメルボルンと同じ燃料プレッシャーの問題が起きてしまい、これによってオリビエ・パニスがレースをフィニッシュすることができなかった。しかしながら、クリスチアーノ・ダ・マッタがF1レースで初めて完走を果たして11位でフィニッシュした。

チームとしては、パニスが予選で10番手を獲得、そして決勝のオープニングラップでは6位まで順位をアップしていたのでその後の展開に期待を持っていた。

「第1コーナーでアクシデントは発生したけれど、うまくすり抜けることができたし、R.バリチェロと良いバトルも展開できていた。予選の後に期待していたように、レース序盤のクルマのの状態はとても良かった」とパニス。

パニスは、最初のピットストップを全56周の12周目に行った。作戦として最初は早めのラップでピットイン、その後は多めのラップを消化することになっていた。しかし、彼は、ピットアウトしてすぐに戦列から離れる結果となってしまった。

「予定通りに最初のピットインを行い、給油して再びコースインした。そうしたら第3コーナーを過ぎていきなり燃料のプレッシャーが落ちてしまい、エンジンがストップしてしまったんだ。状況としては、メルボルンと同じような現象だったけれど、本当に同じ現象かは今のところわからない。がっかりすると共にこのものすごい暑さの中で頑張って仕事してくれたチームに申し訳ない気持ちだ」とパニスはコメントしている。

高温によって燃料系のトラブルが起こることがあるが、原因は何であったかは、完全な調査をしてみなくてはわからない。

ダ・マッタにも燃料プレッシャーの問題があって苦しい闘いを強いられていた。そしてTF103本来のポテンシャルは発揮されなかった。

「もっと良いレースができたはずだった。グリッドに向かうときにアクセルにトラブルが発生し、いくつかのコーナーは大丈夫だったけれど、その後、全く加速しなくなってしまった。しかたなく、スタート直前に土曜日にクラッチトラブルが起きて乗り換えることとなった僕本来のレースカーにスイッチしたんだ。そうしたら燃料が少ない状態で燃料プレッシャーの問題があることがわかったのでレース中に常に燃料を多く入れて、クルマが重い状態で走らなくてはならなかったんだ。そのために17周、33周、そして48周に3回ピットインしなくてはならなかった。それでも頑張ったんだけれど、やはりクルマが重いと他車をパスするのは大変だった。今回はポイントゲットできると思っていたので、本当に残念だ。僕のホームレースとなる次のブラジルGPでは頑張りたい」とダ・マッタはコメントしている。

レースがスタートして序盤でM.シューマッハーとJ.トゥルーリが接触。また、メルボルンの覇者D.クルサードがメカニカルトラブルに見舞われるという波乱の展開となった。そして、クルサードのチームメイトマクラーレン・メルセデスのK.ライコネンが初のグランプリ勝利を飾った。フェラーリチームのR.バリチェロが2位、そしてポールポジションを獲得したF.アロンソが3位に入って表彰台に立った。

ウイリアムズBMWチームは、J.P.モントーヤが1周目アクシデントに巻き込まれてしまったが、R.シューマッハーが4位に入り、J.トゥルーリがルノーチームに連続して5位をもたらし、5回のワールドチャンピオンに輝くM.シューマッハーが挽回して6位でフィニッシュした。そしてBARホンダのJ.バトン、ザウバー・ペトロナスのN.ハイドフェルドがポイントをゲットした。

この結果によってライコネンが16ポイントでトップに立ち、クルサードが10ポイントでそれに続く。そして、その後には5人のドライバー、モントーヤ、バリチェロ、アロンソ、M.シューマッハー、トゥルーリが8ポイントで並んでいる。パナソニック・トヨタ・レーシングとしては4月6日行われる次の第3戦、インテルラゴスのブラジルGPでポイントゲットの期待を膨らませている。その前にスペインとフランスでのテストを行う。バルセロナではダ・マッタが水曜日と木曜日、パニスが金曜日に走って3日間のテストを締めくくる。そして今日誕生日を迎えるリザーブドライバーのリカルド・ゾンタが3日間のテストをポールリカールサーキットで行う。