第3戦 ブラジルGP 2003
2003年03月31日(月)
オリビエ・パニス - ブラジルGPに向けて
大陸間を移動してのレースは忙しい。クリスチアーノと僕は、マレーシアGPの後にヨーロッパに直行してスペインでの4日間のテストを行った。僕らは2日間づつ、バルセロナのカタルニアサーキットでブラジルGPへ向けてTF103 の準備を行った。テストは順調に進んで、パナソニック・トヨタ・レーシングの志気はとても高まった。また、同時に5月に行われるスペインGPへ向けて、レース前 最後のテストも行った。
僕らはいくつもの項目に渡ってミシュランタイヤのテストも行い、そしてブラジルGPの舞台、インテルラゴスサーキットにマッチした2種類のタイヤコンパウンドを選らびだした。基本的なクルマのセットアップも行い、最大の収穫は今年僕が開幕から2戦連続リタイヤの原因となった燃圧の問題を解決できたことだった。この問題が発生しなければ、オーストラリアとマレーシアでポイント獲得できたはずだったのがすごく惜しまれる。誰もがものすごくフラストレーションを感じ、これから完走に向けて全力投入している。バルセロナでは大した問題もなく103周も周回できたのでシーズン前の信頼性を回復できたと思っている。
インテルラゴスは、多くの中速、高速コーナーがあってバルセロナにそっくりなサーキットだ。そしてデータ上では、われわれのTF103向きのサーキットだ。本当にトヨタのF1と僕自身に良い結果を期待している。
僕はインテルラゴスがすごく好きだ。このサーキットで僕は9年前にF1にデビューした。これまで多くのポイントをこのサーキットで獲得したし、1997年には表彰台にも立っている。ドライビングとクルマのテクニカルな両面でトライすることがとても大切なサーキットだけれど、われわれのクルマに合っていると思う。スタート/フィニッシュラインまでの長くて上り坂となっているストレートはパワフルなトヨタのRVX-03エンジンに適しているので、レースに向けて良いクルマを仕上げたいと思っている。第1コーナーは絶好のパッシングポイントなので、上り坂で前車の背後につけて、このコーナーで抜くつもりだ。
路面はとてもでこぼこしていて、ドライバーにとっては辛く、逆時計回りなので首の左側がきつい。でも、僕自身にはそれほど大きな問題ではない。このレースのために特別にトレーニング方法も変えないし、レースのその晩は体が痛いけれど、翌日は大丈夫だ。
でこぼこの路面はハンドリングにも影響する。しかし、先週のバルセロナでショックアブソーバーのシステムをしっかりとテストして、でこぼこ路面をできるだけスムーズに走行できるようにできているので、空力性能も良いと思う。われわれに必要なのは、空力性能とメカニカルな性能の高次元の調和だ。しかし、良い解決方法を見つけだせそうなので、この点でも自信があるんだ。
ブラジルGPは新しいレギュレーションとなってから3戦目のレースとなる。皆が僕にワンラップの予選方法をどう思うかとか、土曜の予選の後に給油させた方がよいのではとか聞いてくる。でも僕は、新しいレギュレーションはスポーツとして見た場合良かったと本当に思う。決勝グリッドの順位に変化があり、レース展開も面白くなった。
今から僕はブラジルに精神集中している。そして、チームの全員がきちんと準備を整えてくれたから、今や良い成績をあげることができるのはもうすぐだ。
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