第3戦 ブラジルGP 2003

2003年04月06日(日)

ブラジルGP - 決勝レポート

フォーミュラ・ワン世界選手権第3戦、インテルラゴスサーキットにおけるブラジルGPは、雨でびしょ濡れのドラマチックな展開となったが、パナソニック・トヨタ・レーシングにとっては、少しも運に恵まれたレースではなかった。

日曜日の朝は、激流のような土砂降りとなった。パドックは水浸し、レースも2000年のスパ-フランコルシャン、ベルギーGP以来のセイフティー・カーの先導によるスタートが切られた。

オリビエ・パニスは、不運にもアクシデントに巻き込まれて17周でレースを終えてしまった。一輪を失ったジョーダンチームのRファーマンが減速することなくパニスのクルマのテールにぶつかり、そしてパニスは1コーナーで止まってしまった。

「ウエットコンディションとなってレースはセイフティー・カーの先導でスタートした。そしてわれわれは給油を行いうまい作戦で優位に立てた。満タン状態で走行するのは多少厳しかった。グリップが足りないと感じたけれど、それほどひどい状態ではなかった。その時、いきなり後ろからすごい衝撃を感じ、ファーマン自身がぶつかったと説明するまで何が起こったのか全くわからなかった」とパニスはコメントしている。

クリスチアーノ・ダ・マッタは3回ピットインし、1周遅れの10位でフィニッシュした。

「完全なウエットコンディションとなり、われわれのピットイン作戦はうまく行った。2回目にセイフティ・カーがコースインしたときには4位まで順位をアップしていた。だんだんとコースが乾き始めて状況は悪くなった。クルマがひどいオーバーステアーになってしまったんだ。問題はタイヤの空気圧にあると考えて調整したのだけれど、圧を上げても下げてもドライのコンディションでペースは上がらなかった。地元ファンの前でこの結果は満足していないけれど、これからヨーロッパで行われるレースでは良い成績を出したい」とダ・マッタはコメントしている。

インターミディエートに近いウェットタイヤのためか、レースコンディションはドライバーを翻弄した。71周レースの55周目にレースが赤旗終了されるまでセイフティー・カーは4回もコースインした。ジャガーチームのMウェーバーは、ストレートで大きなアクシデントに見舞われ、ルノーチームのFアロンソが散乱した破片にぶつかってウェーバーとは反対側コースサイドに激突してしまった。

アクシデントが発生した時にトップを走行していたのは、Gフィジケラだったが、ルールによって赤旗が提示された周の2周前の順位によって結果は決定された。これにより、マクラーレンのKライコネンが2連勝を飾ることとなった。

ライコネンには幸運が舞い込み、ジョーダンチームにとってグランプリ200戦目となったこのレースで優勝を逃したフィジケラはがっくりと肩を落とした。

3位には、アクシデントの後に医務室に搬送された21歳のスペイン人ドライバー、アロンソのものとなった。マクラーレンチームのDクルサードはレースの大半をリードしていたが、ドラマが起こる直前にピットストップを行っていて、そこでレースが終わったために4位となってしまった。ザウバーのHHフレンツェンが5位、BARホンダのJビルヌーブが6位。アクシデントにもかかわらずウェーバーが7位で2ポイントを獲得、そしてJトゥルーリが8位で1ポイントを得た。

「この結末には残念だけれど、チームはこの週末、全力を尽くした。諦めないことが大切なんだ。フェルナンド(アロンソ)は気の毒だった。ケガが大したことないのを祈っているよ」とパニスは振り返った。

シリーズは2週間後の第4戦イタリア、イモラからヨーロッパラウンドが始まる。大陸間を飛び回ったドラマチックな3レースが終わりを告げた。