第4戦 サンマリノGP 2003

2003年04月15日(火)

オリビエ・パニス - サンマリノGPへ向けて

ブラジルGPの結果に対して気持ちの整理をつけるのは難しかった。天候は最悪で、コースコンディションが、ころころと変化し走行は困難だった。クルマをコース上に留めることさえ大変だったんだ。結果的に僕は他車によって戦列を離脱させられてしまい、僕自身も、そしてチーム全体も期待されていた結果を出せない週末となってしまった。

ブラジルGPの後、僕達は、フランスのハイテクサーキット、ポール・リカールに移動して火曜日から金曜日まで4日間のテストを行った。木曜日にクリスチアーノが合流するまで僕は、チームの第3ドライバー、リカルド・ゾンタと一緒にテストを行った。そして、クリスチアーノとリカルドは2人で金曜日にテストを締めくくった。このテストではTF103に装着するイモラ(サンマリノGP)用のいろいろな新パーツをテストする予定だったのだけれど、雨で充分な走行ができず残念だった。
いくつかは成果が得られたけれど、全てをトライできなかった。チームは今シーズンずっと、とても素晴らしい働きをしてくれているから特に、今回のように天候などどうにもならない理由でテストがうまくいかなかったりすると、本当に納得のいかない思いをする。

次のレースは、イモラにあるアウトドローモ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリサーキットで行われ、ここからヨーロッパでのシリーズがスタートする。これまでの2ヶ月間は飛行機の移動で相当な時間をとられたので、ヨーロッパに帰ってきて家族に会うのがとても楽しみだった。これからの数週間は2時間ほどのフライトで移動できるから、家で過ごす時間が増えるのはうれしい。物流の点からも、チームにとっては短い距離を簡単に移動できるために、クルマの開発プログラムにより力を傾けられる。

去年のレース以降、僕はイモラを走っていないけれど、クリスチアーノとリカルドは、シーズン開幕前の2月に暫定的なTF102Bでテストを行っている。彼らが重要なデータを得ているので、今週末にはTF103のセットアップに役立つことだろう。ストップ・アンド・ゴー、そして起伏のあるこのコースは、エンジンパワーとトラクションが重要だ。

シケインのところにある高い縁石は攻めのポイントで、これがラップタイムに大きく影響する。縁石はクルマをバンバン跳ね上げるけれど、タイムを出すためには、縁石をかすめないとならない。ドライバーとしては、クルマにダメージを受け易いので、縁石に間違ったアングルで進入しないように注意しないといけない。そして、走行ラインが決まったら、サスペンションとタイヤプレッシャーをセッティングしてクルマの最高のパフォーマンスを引き出す。

いろいろな理由から僕はイモラで良い成績を全く残せていない。このサーキットでは8回レースしているのだけれど、8位以上でフィニッシュしたことがないんだ。ここは嫌いなコースという訳ではないのだけれど、得意なサーキットではないのは1994年の悲しい思い出のせいだ。それがイモラでの僕の最初のレースだったんだ。

イタリアの熱狂的なファンの前でのレースは特別な雰囲気だ。彼らは赤いクルマの2人だけでなく、ドライバー全員に声援を送ってくれるのが素晴らしいと思う。イモラでポイントゲットできれば良いけれど、まず僕にとっては今シーズン最初のレース完走が重要だ。