第4戦 サンマリノGP 2003

2003年04月22日(火)

クリスチアーノ・ダ・マッタ - サンマリノGPを終えて

サンマリノGPでは今シーズン初めて、パナソニック・トヨタ・レーシングの2台が完走を果たせて、大いにチームの士気が高まった。これでTF103の信頼性は回復できたから、これからはパフォーマンスのアップに集中できる。

決勝は、僕にとって初めてのトラブルなしのレースだった。オーストラリアでは序盤でスピンしてしまったし、マレーシアとブラジルでは、メカニカルトラブルが発生してしまい、何とかレースをフィニッシュするために3ピット・ストップ作戦をとらざるを得なかった。今回のイモラでは、初めて最初から3ピット・ストップの作戦をとることになった。

全体としてTF103は、サンマリノGPでは調子は良かった。しかし、イモラでより速く走るためには、縁石をうまく使って走らなければならないのだけれど、ハンドリングがいまひとつ良くなくて、思いっきり縁石にアタックすることはできなかった。でも、安定性はシーズン前にTF102Bでテストしたときよりも数段良くなっていた。

金曜日にアンダーステアーに悩まされたけれど、コース上にタイヤのラバーが付いてくるに従って状況は良くなっていった。金曜日の午後に行われた予選でアタックに入った周の第1セクターでミスをしてしまったために、18番手となり、土曜日の予選は3番目にアタックをしなくてはならなくなってしまった。その上の結果としての13番手グリッドには僕としてはまずまずだと思った。

縁石が無い第2セクターで、僕達は速さを見せて自信を持てた。土曜日の予選では僕がセクタータイムで4番目に速く、オリビエも5番手という状況を見ても、ノーマル・コンディションであれば、僕達のクルマが良いタイムを出すことができるということを証明している。ということは、これからレースするほとんどのサーキットでは速いのではと期待しているんだ。

決勝では、スタートするまでの手順が問題なく進んだことも僕にとっては初めての経験だった。開幕からの3戦、オーストラリアではコースが濡れていたり、マレーシアではピットレーンからのスタートだったし、ブラジルでは全車がセイフティーカーに先導されてスタートが切られたりしたからね。今回、グリッド上で通常はどのようにして作業が進められて行くのかがいろいろとわかった。

スタートの合図のシグナルが消えた瞬間、皆が一斉に第1コーナーに突入していく勢いのすごさには驚かされた。昨年まで参戦していたCARTでは、ローリングスタートだったのでスタートラインを通過するときにはすでに各車の間隔が開いていたからね。

レース序盤、僕のペースは良かったので、オリビエ、M.ウェーバーそしてN.ハイドフェルドに追いつくのは簡単だった。その時点では、クルマがとても調子が良く、トップ10フィニッシュもできるのではないかと思っていたんだ。最初のピットストップでは全く問題なく、ハイドフェルトに続いてピットアウトしたが、14番手で2回目のピットストップを終えた後にいろいろ悪い方向に向かってしまった。

もっと速く走れたのに前を行くクルマをパスできないのには本当にいらいらした。それがイモラなんだ。コース幅が狭く、容易にブロックできるので、逆にパスするのがすごく難しいんだ。僕はJ.トゥルーリの後ろで彼が40周目にピットインするまで12周もの間留まらされた。そして、その時には僕のレースはもう決まってしまっていたんだ。

最後のセットのタイヤは少し安定感がなかったけれど、それは大したことではなかった。それよりも、レース中ずっと前にクルマがいてクリアーラップが無かったことが煩わしかった。レース中、僕は11番手のファステストラップを記録しているのを見れば、渋滞にはまらなければもっと速いペースで走れたのがわかるはずだ。

僕らは、これから4日間のテストをムジェロで行う。このサーキットは世界で最高だと思っている。F3000のクルマで走っているけれど、F1での走行が待ちきれない。きっとすごいはずだ。

次のスペインGP、バルセロナに向けてTF103が順調に開発されることを期待して欲しい。同じスペインのカタルニアサーキットでのテストでは良いペースで走っているので、スペインGPには良い感触を持っている。僕はこれまでの4レースで3回完走しているけれど、次のステップとしては8位以内でフィニッシュして、チームにとって今シーズン初となるポイントを獲得したい。