第5戦 スペインGP 2003
2003年04月28日(月)
オリビエ・パニス - スペインGPに向けて
もう5回目のレースを迎えようとしているのが信じられない。昨年の11月にトヨタの一員となってから一気に時間が過ぎた感じだ。あれからというもの、テストとレースを繰り返し、歩みを止めることなく 僕達は進んできた。パナソニック・トヨタ・レーシングチームに対していろいろな部分での貢献ができ、うれしく思っている。そして、今週末のスペインGPにはすごくワクワクしている。今やTF103の信頼性も回復できたし、今年初のポイント獲得に向けて闘えると期待しているんだ。
ムジェロのテストで僕は、高速コーナーでの安定性を高めるさまざまな新しい空力パーツをテストした。そして、そのいくつかをテストの最終日にクリスチアーノが確認してくれた。これらのパーツは、スペインGPの舞台となるバルセロナのカタルニアサーキットではとても重要なんだ。長いストレートへ続くいくつかの高速コーナーがあり、そのコーナーの脱出速度がとても重要だ。速くコーナーを抜けられたら、ストレートでスピードに乗れる、そうすればラップタイムも良くなる。
バルセロナには、あらゆるタイプのコーナーがある。ドライブする上では、多くの点で<クルマ造り>が必要だ。そして、僕はそのような作業がすごく好きなんだ。
まず、速く走るためにはクルマのセットアップがちゃんとしていなくてはだめだ。高速コーナーでは空力グリップと安定性が重要だし、長いストレートの終わりでのブレーキングの安定性も不可欠。低速でヘアピンコーナーを通過するときにはうまくトラクションがかからなくてはだめだ。また、低速コーナーでは、クルマのリズムというものを乱さずに他のサーキットと同じようなドライビングをしなくてはならない。うまく流れをつかめれば、平均速度をアップすることができるんだ。そして、このコースの特徴は、例えばイモラよりも僕達のクルマにマッチしていると思う。
シーズン前とマレーシアGPの後にもバルセロナで行ったテストでは僕達のTF103は好調だった。それをそのまま今週末に持ち込みたいと思っている。タイヤパートナーのミシュランもテストの結果から開発を進めてくれている、きっと競争力の高いタイヤを今週末には準備してくれていると期待している。
このサーキットは、結構天候の影響を受けやすい。特に風だ。突風のような横風が吹いた場合、クルマのバランスにはネガティブな影響が出てしまう。
ほとんどのチームとドライバーは、このバルセロナで多くのテストを行っているので、皆ベストなコンディションで今週末を迎えることだろう。僕達もここで良い結果をあげるためには、最高のパフォーマンスを発揮しなければならない。
イモラは、新しい予選ルールが今季残りのレースでも引き続き採用されることが明らかになったということでも意味のあるところになる。今年のこれまでのレースがよりエキサイティングになっているから、僕はレースに関わる人すべて、特にファンにとってこれはいいことだと思う。
スペインGPを前にして、僕は自宅での家族との大切な数日を過ごしている。僕にとって、これはレースに向けて一番の調整方法なんだ。
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