2003年05月04日(日)

Ｆ１第５戦スペインＧＰ　Ｃ．ダ・マッタが大健闘６位　初ポイント獲得

ポイント圏内を走行していたＯ．パニスは惜しくもギアトラブルで戦線離脱

２００３年５月４日（日）（スペイン・バルセロナ発）

Ｆ１第５戦スペインＧＰの決勝レースがスペイン・バルセロナのカタルニア・サーキットで行われ、パナソニック・トヨタ・レーシングは、Ｃ．ダ・マッタが６位に入賞し、念願の今季初ポイントを獲得した。

午後２時にスタートした６５周の決勝レースを予選６番手からスタートしたＯ．パニスは、スタートに失敗。さらに１コーナーを過ぎたところで先行車２台が接触し、行き場を失ったＯ．パニスはポジションを１４位へと大きく落としてしまった。一方、予選１３番手からスタートのＣ．ダ・マッタは、絶妙のスタートで一気にポジションアップ。スタート直後に起きた他チーム３台の接触でセーフティカーが導入され、５周目から、本格戦となったレースを、Ｃ．ダ・マッタが８位、Ｏ．パニスが１３位で序盤戦へ突入した。

遅れをとったＯ．パニスであったが、ベテランらしく着実にポジションを上げて１５周目には６位のＣ．ダ・マッタに続く７位に躍進。パナソニック・トヨタ・レーシングの２台は、ポイント圏内の６位、７位で中盤戦へと持ち込んだ。しかし、４２周目に最後の給油ピットインを終えたＯ．パニスは、ピットアウト直後にギアボックスを痛めて、まさかのリタイア。チームの期待を一身に、孤軍奮闘のＣ．ダ・マッタは、一時は４位を走行する大健闘を見せ、最後の給油ピットを終えた残り１０周は、Ｒ．シューマッハ（ウィリアムズＢＭＷ）と激しく５位争い繰り広げ、９万６千人という熱狂的な大観衆を沸かせた。Ｃ．ダ・マッタは、惜しくも５位奪取はならなかったものの、ルーキーらしからぬ活躍を見せて６位でフィニッシュ。パナソニック・トヨタ・レーシングに今季初のポイントをもたらした。

クリスチアーノ・ダ・マッタ：　＃２１　　６位　　６４周／６５周　　シャシー：ＴＦ１０３／０２
「自身にとってもチームにとっても嬉しい結果となった。今シーズン初めて、問題も無く、ミスもせずに戦うことが出来たし、この週末を通して、すべてが順調に進んだ。ポイント獲得はとても嬉しいが、今後もこの状態が続くことを望んでいる。５位でのフィニッシュも見えていたが、中盤戦からブレーキのフィーリングが鈍くなっており、Ｒ．シューマッハを抜くほどにハードな攻めは出来なかった。このカタルニア・サーキットで我々が優れたパフォーマンスを示せることはわかっていたし、実際に週末を通じて非常にコンペティティブなレースを戦うことが出来た。他のサーキットでも同じように戦えることを期待している。今日の３ポイント獲得は、これからの成果へのほんの始まりにすぎない」

オリビエ・パニス：　＃２０　リタイア　　４１周／６５周　　シャシー：ＴＦ１０３／０５
「Ｃ．ダ・マッタとチームが今季初ポイントを獲得したことは嬉しいが私の結果には、がっかりしている。週末を通して好調で、２回のピットストップ戦略で、ポイント獲得への手応えも掴んでいた。リタイアの原因はギアボックストラブルだと思われるが、早急に調査し、原因を突き止めなくてはならない。とても悔しいし、貴重なポイント獲得のチャンスを失うようなことは、二度とあってはならない」

チーム代表　オベ・アンダーソン：
「初ポイント獲得という結果には非常に満足している。ここまで長い時間かかってしまったが、この週末、我々は非常にコンペティティブであったし、この３ポイント獲得は、努力の結果といえる。Ｃ．ダ・マッタは力強くレースを戦い、終盤戦は５位争いを展開したが、６位という結果には満足している。Ｏ．パニスは、ずっといいペースで走り続け、ポイント圏内にいただけに、気の毒な結果に終わってしまった。ギアボックスと思われるトラブルを早急に調査し、何が原因だったのか究明する。総合的に見て、良い結果に終わったレースではあるが、これからも続くレースの１戦にすぎない」

ゼネラルマネージャー　高橋敬三：
「まずは、今シーズン初ポイントをもたらしてくれたＣ．ダ・マッタに感謝したい。本当に、今日は、全力で戦ってくれ、“トヨタＴＦ１０３”のポテンシャルがトップクラスと同等であることを証明してくれた。Ｏ．パニスは、２回目のピットストップでギアボックスを痛めてしまい、リタイアする結果になったが、速さは充分に見せ付けた。今回の結果を弾みにして、次のオーストリアＧＰでは、さらに上位を目指したい」

＜スペインＧＰ決勝＞
Ｔ－ＣＡＲシャシー：ＴＦ１０３／０１（オリビエ・パニス仕様）

次戦、第６戦オーストリアＧＰは、５月１６日（金）から１８日（日）にわたって、オーストリアのＡ１リンク・サーキットで開催される。また、パナソニック・トヨタ・レーシングは、５月６日（火）から９日（金）の４日間、ホームサーキットであるポール・リカール・サーキットでテストを行う。６日（火）と７日（水）は、Ｏ．パニス、８日（木）と９日（金）は、Ｃ．ダ・マッタ、６日（火）から８日（木）は、Ｒ．ゾンタがテストの予定。