第6戦 オーストリアGP 2003

2003年05月18日(日)

オーストリアGP C.ダ・マッタ最後尾から奮闘 5戦連続完走の10位

11番手スタートのO.パニスは不運のアクシデントに見舞われ、レース序盤に戦線離脱

2003年5月18日(日)(オーストリア・スピルバーグ発)


F1第6戦オーストリアGPの決勝レースがオーストリア・A1リンク・サーキットで行われた。

午後2時、フォーメーションラップを終えた各車がグリッドに整列。その決勝レースのスタート直前にC.ダ・マッタが電気系のトラブルを訴えイエローとなり、スタート順延。さらに、その後も同様のトラブルで再度スタートが順延され、C,ダ・マッタは最後尾スタートとなり、レースは2周減算の69周で戦われることとなった。

2周目にはJ.フェルスタッペン(ミナルディ)のストップで、セーフティカーが導入され、このタイミングでO.パニスは給油のため素早くピットイン。しかし、再スタート直後の6周目、コース上で原因不明のトラブルによりフロントサスペンションにダメージを受け、戦線離脱を余儀なくされた。一方、C.ダ・マッタは、最後尾スタートながら、一時は8位までポジションをアップ。1回目のピットストップ後、17位まで順位を落としたが、終盤戦に入り上位が戦列を去る中で粘走を見せ、10位でフィニッシュ。ポイント圏内には届かなかったものの、週末を通じてセッティングに苦しんだオーストリアGPで、パナソニック・トヨタ・レーシングとC・ダ・マッタは、5戦連続完走を果たし、次戦以降へと望みをつないだ。

優勝は、サンマリノGP、スペインGPに続く3連勝のM.シューマッハ(フェラーリ)であった。

クリスチアーノ・ダ・マッタ: #21 10位 68周/69周  シャシー:TF103/07
「通常のスタート同様、ローンチコントロールのボタンを押した途端に、エンジンが止まってしまった。何か電気系のトラブルだと思う。リスクを避け、再スタートとピットストップではローンチコントロールを使わず、マニュアルで行った。今週は、このような結果になるとは思っていなかったが、金曜日と土曜日の結果を考えれば、10位完走という結果には納得している。最後尾からスタートでは、容易なことではない。A1リンクに適したクルマのセットアップを見つけ出すことが出来なかったが、原因を究明して、次戦、伝統のモナコGPに臨みたい」

オリビエ・パニス: #20 リタイア  6周/69周  シャシー:TF103/05
「何か起ったのか良くわからない。セーフティーカーを利用し燃料給油を行い、戦略を1ストップに変更、給油作業を終えコースに復帰した直後、バージ・ボードに何かがぶつかり、左フロントタイヤがパンクしてしまった。サスペンションも破損しており、なすすべもなく、クルマを停めるしかなかった。今回のレースも、結果を残せず、チームにとって残念なレースだったが、2週間後のモナコGPに向けて、気を引き締めて戦いに挑む」

チーム代表 オベ・アンダーソン:
「とても残念な結果だ。週末を通じ、クルマの適正なセットアップを見つけ出せなかった。金曜日のプラクティスから、この週末を通じて遅れを取り戻すべく奮闘してきた。C.ダ・マッタは、ローンチコントロールのトラブルで、最後尾スタートになったにもかかわらず、10位完走を果たしてくれた。O.パニスにばかりにトラブルが集中するのは、全く信じられないことだ。我々の出来ることとは、今週の中から学び、次のレースに向けて改善することだ。しかし、次戦のモナコGPは何が起るかわからないので予測ができない」

ゼネラルマネージャー 高橋敬三:
「ダ・マッタは電気系のトラブルで、ローンチコントロールによるスタートが出来ず、最後尾スタートを強いられてしまった。その後は、粘り強い走りでトップ10フィニッシュを果たしただけに、スタートでのトラブルは悔しい。O.パニスはクルマに何か障害物が当たり、フロントサスペンションとバージボードに損傷を受け、リタイアせざるを得なかった。今回のGPは3日間を通じ、セッティングで混乱したが、その反面色々なデータも収集出来た。次戦モナコGPに向け対策を施し、万全の体制で臨みたい。」

<オーストリアGP決勝>
T-CARシャシー:TF103/04(オリビエ・パニス仕様)

次戦、第7戦モナコGPは、5月29日(木)から6月1日(日)にわたって、モンテカルロ市街地の特設コースで開催される。