第7戦 モナコGP 2003

2003年05月29日(木)

伝統のモナコGP予選第1日目 難コースに不本意な予選アタック

O.パニスが18番手、C.ダ・マッタは19番手。予選第2日目での巻き返しへ総力を結集

2003年5月29日(木)(モナコ・モンテカルロ発)


F1第7戦モナコGPの予選第1日目が、5月29日(木)モンテカルロ市街地特設コースで行われた。
先週、トヨタエンジンが日本メーカーとして初勝利を挙げたインディ500、そしてル・マン24時間レースとともに世界3大レースとされるモナコGPは、F1シリーズ中、最も苛酷なレースとされる。

予選第1日目に先立って午前11時から行われたプラクティスでは、O.パニスが1分17秒811で13番手のタイムをマーク。初めてこの難コースをレーシングカーで走ったC.ダ・マッタは、29周を走り込み、コースの習熟に専念。1分19秒956で20番手のタイムで、予選1日目へと臨んだ。

午後2時から行われた予選第1日目は、現在のポイント獲得順にタイムアタックを開始。11番目に出走したH.H.フレンツェン(ザウバー)がタイムアタック中にエンジンブローし、予選は一時中断。20分後に再開されたものの、コース上に出たオイルや、それを除去するために撒かれた砂により、コースコンディションが大幅に悪化。14番目出走のC.ダ・マッタは、1分20秒374で19番手、18番目にタイムアタックしたO.パニスも、1分19秒903で18番手と、共にプラクティスでのタイムを下回り、不本意な順位で予選第1日目を終えることとなった。

モンテカルロ市街の公道を閉鎖して行われるモナコGPは、通常のF1GPと運営日程が異なり、明日30日(金)はF1の走行は無く、明後日31日(土)にプラクティスと予選2日目が行われる。

オリビエ・パニス: #20 シャシー:TF103/04
  予選1回目:18番手 1分19秒903(ポールと3.598秒差) 出走順:18番目
「今日は不本意な結果にとなってしまった。前戦のオーストリアGPと同じ状況で、タイヤのグリップを得ることが出来ず、“トヨタTF103”の速さを発揮出来なかった。決勝レースに向けて、クルマのセットアップを見直さなくてはならない。予選のタイムアタックでは、ポルティエ・コーナーでかなりのオーバーステアが出てしまい、約1.5秒のタイムをロスしてしまった」

クリスチアーノ・ダ・マッタ: #21 シャシー:TF103/07
  予選1回目:19番手 1分20秒374(ポールと4.069秒差) 出走順:14番目
「今日、初めてこのサーキットをレーシングカーで走った。タイムは良くなかったが、このコースをドライブするのは非常に楽しい。サーキットについて学ばなくてはならないことは多いが、初めてのサーキットをたった1時間で学習するのは難しく、特にモナコのようなコースは困難を極める。土曜日の90分間のプラクティスを最大限活かすために、クルマのセットアップを進めなくてはならない」

チーフデザイナー グスタフ・ブルナー:
「今日の結果がすべてだとは思っていない。C.ダ・マッタは、彼にとっては初のモナコGPなので、安全策を取っていたのだろう。CARTシリーズで何度も公道レースを戦ってきているので、土曜日さらに走行距離を重ねれば、速さを取り戻すはずだ。O.パニスは、朝のプラクティスでは、1セットのタイヤで21周を走行したため、タイムは決して良くなかったが、土曜日の予選2回目には、まったく問題ないと確信している」

ゼネラルマネージャー 高橋敬三:
「今日の厳しい結果を真摯に受けとめなければならない。年初からこれまでのテストにおいて、“トヨタTF103”が高いポテンシャルを持っていることは分かっているが、それをまったく引き出すことが出来ていない。しかも、路面コンディションが、路面温度、他車のオイルで、セッション途中で大きく変わってしまったことの影響も大きかった。幸い予選第2日目まで2日間あるので、今日得たデータを、チームの本拠地であるケルンのスタッフとともに解析し、この状況から抜け出す」

<モナコGP予選第1日目>
天候:晴れ後時々曇り
T-CARシャシー:TF103/05,TF103/06

予選第2日目は、5月31日(土)午後2時(日本時間午後9時)から行われる。