第7戦 モナコGP 2003

2003年06月03日(火)

クリスチアーノ・ダ・マッタ - モナコGPを終えて

モナコでは、パナソニック・トヨタ・レーシングは大変なレースウィークエンドを過ごすこととなった。TF103は、サーキットの全般でグリップ不足に見舞われていたために、セットアップを進めるのがとても難しかった。でも、僕は、チームメイトのオリビエ・パニスに比べて、トラブルが少なかったことは認めないといけないだろう。そして、オリビエが、そんな状況の中でフィニッシュしたということは、すごいと思う。

木曜日の予選結果の状況を考えると、9位でフィニッシュできたことについては、とても嬉しく思っている。木曜日が終わって、これからどうなってしまうのかと思っていた。選手権ポイントのトップ4チーム、マクラーレン、フェラーリ、BMWウイリアムズ、ルノーが今シーズン高い信頼性を示しているので、僕達がポイントを獲得するのはとても難しい。だからモナコでポイント獲得圏内のすぐ後にフィニッシュできたことには満足している。

ドライビングについては、モナコで走ることは素晴らしいチャレンジだ。これまで僕は、アメリカで多くの公道サーキットのレースをしてきたけれど、モナコみたいに難しいコースはなかった。だから、コースを学ぶにはいつも以上に時間がかかった。いつもならだいたい3周ほど走ってピットインし、コースレイアウトを頭にたたき込むのだけれど、モナコではちょっと違う方法をとって、10周連続して走って、一気にタイムアップしようとした。でも、それはうまく行かなかったし、木曜日のワンラップの予選アタックで苦しみ、タイムが一番遅かった。

レースウィークの金曜日は、モナコでは昔から伝統的な休息日となっている。とは言っても、僕はたくさんのPRとマーケティングの活動で忙しかった。夜にチームは、スポンサーやトヨタのゲストを、スポンサーのエボン・ダックス社の協力によって、モナコ・ハーバーに停泊している船、ナフィサに招待した。同社の親会社のCEOジャミール氏の計らいによって、彼の船で音楽とダンスを楽しみ、素敵な時を過ごした。あらためて僕達は多くの人々のサポートを受けていることを感じた。

それでも金曜日のフリータイムにはコースのことを考え続け、土曜日の午前中、フリー走行の時には、うまく行くだろうという感触をつかんでいた。僕は午前中にどんどんタイムをアップして2回目の予選では10番手グリッド獲得というタイムをマークできたのはうれしかった。タイム更新できたのは、クルマのセットアップだけではなくて、木曜日に比べて走りでかなり攻めてみた結果だった。

決勝では、2週間前のオーストリアGPで起きたような、スタートでのトラブルはなかった。モナコはコースがとても狭いので、グリッドで立ち往生して他車が混乱するようなことは、なんとしても避けたいところだ。今回、ローンチコントロールシステムはパーフェクトに働いてくれて、1コーナーの進入時には、もう少しでMウィーバー選手を抜けるところだった。

序盤の何周かはウェーバー選手とJビルヌーブ選手と一緒に走行していたが、燃料が少なくなっていくと彼らに離されてしまった。離されたのは悔しかったけれど、渋滞で悩まされることはなくなった。2回目のピットストップまでは僕の車はとても順調だった。しかし、最後のセットのタイヤは皮むきしていなかったので、ハンドリングに苦しむ走行となってしまった。

今週、僕はシルバーストーンで、楽しみにしていた2日間のテストを行っている。ここ数年、このコースへは行っていなかったのだけれど、1995年にイギリスのF3選手権レースを戦っていた時には、いつもこのコースのドライビングを楽しんでいた。今回のテストでは、開発パーツのテストが予定されている。今後のパフォーマンスの向上に、大きく役立つパーツとなることを期待されているものだ。

テスト終了後は、僕は水曜日の夜ブラジルに帰って、モントリオールで行われるカナダGP前に、ベロ・ホリザンテの自宅で週末を家族と過ごすことになっている。モナコとは違いジル・ビルヌーブサーキットは、初めてではなく、昨年CARTで走っているから、F1でも走れることをとても楽しみにしている。