第8戦 カナダGP 2003
2003年06月15日(日)
カナダGP - 決勝レポート
パナソニック・トヨタ・レーシングのオリビエ・パニスは、ジル・ビルヌーブサーキットで開催されたカナダGPにおいて8位フィニッシュを果たし、2003年F1世界選手権の初ポイントを獲得した。
2台のトヨタTF103は、パニスとチームメイトのクリスチアーノ・ダ・マッタがオープニングラップから6位と7位を走行するという快調な滑り出しを見せ、ダ・マッタが45周目にピットストップを行ってパニスの前に出るまでその順位で走行していた。ダ・マッタには悲劇が降りかかり、あと数周を残してリタイヤ、原因はサスペンションのトラブルらしい。そしてパニスは、ポイントをチームにもたらした。
「チームにとって8位という成績は素晴らしいと思う。チームの誰もが頑張った。しかし、クリスチアーノの気持ちを察してあげないとならない。彼は決勝でも快調に走っていたけれど、チェッカードフラッグを受けるということは難しい。しかし、自分にとって今シーズン初の選手権ポイントを獲得できて、安心しているし、これが始めの一歩であると考えたい」とパニスはコメントしている。
ダ・マッタは、残念な気持ちを抑えて説明してくれた。「まだ原因はハッキリとはわからないのでクルマが帰って来るまで待たなくてはならないけれど、サスペンションだと思う。前のコーナーを回ったときにクルマが暴れてしまい、コースアウトしてしまった。そこまでは快調だったんだ。最初の2スティントはオリビエの後ろにつけて走行していて、前に出たら少しペースを上げることができてウエーバーとの差を縮めていった。楽しい走行だったけれど、ゴールすることはできなかった」
モントリオールのレースは最高だった。コンマ1秒のトップ争いがラルフとミハエルのシューマッハ兄弟によって展開された。弟のBMWウイリアムスがスタートからリード、しかし、最初のピットストップで兄がトップに立った。これによってフェラーリチームは過去このサーキットで5回中4勝、という圧倒的な強さを示し、ドライバーとコンストラクター選手権のポイントでトップにつけた。
JPモントーヤは、レースの序盤でスピンして10秒ロスしてしまったがレースに復帰してチームメイトの直後でゴールまで走行した。他に素晴らしかったのはルノーチームのFアロンソだった。4秒間に4台がひしめきチェッカードフラッグを受けたその集団からアロンソは最終コーナーで抜け出しゴールした。
また、RバリチェロがKライコネンとのバトルに勝って5位となった。チャンピオンシップポイントリーダーのライコネンは予選でスピンしてピットレーンからのスタートとなり、唯一ワンストップのピット作戦をとった。そして6位をゲットしてMシューマッハに3ポイントの差をつけられている。
チーム代表のオベ・アンダーソンは今回の結果に喜んでいる。「チームの全員が難しい状況の中でも頑張ってくれた。トップグループの闘いの中でポイントを獲得できたのには満足している。多くのポイントではないが、ポイント獲得をすること自体今日のF1では大変なことなんだ。オリビエがようやくポイント獲得者に仲間入りできたのは良かったがクリスチアーノは良いレース展開をしていたのに残念だった。このレースからさらなる進歩を期待したい」とコメントしている。
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