第9戦 ヨーロッパGP 2003

2003年06月24日(火)

オリビエ・パニス - ヨーロッパGPへ向けて

2週間前のカナダGP で、僕にとって今シーズン初のポイントを獲得して以後、今週末行われるヨーロッパGPは、パナソニック・トヨタ・レーシングにとってはハードなレースになるだろうけれど、僕の気持ちの上では、何かうまく行くのではないかと思っている。

いつものように、レースとレースの合間は、僕達はテストで忙しい。テストは、次のレースに向けたものだけに限らず、今シーズンの残されたレースも見据えて行っている。僕は先週の木曜日にポール・リカールサーキットでインディアナポリス(アメリカGP)用のパーツをテストした。このレースは最終戦からひとつ前、9月の終わりに行われるイベントだ。このように僕達はライバルに対抗するべく、先行開発を行わなくてはならないんだ。

僕がポール・リカールでテストをする一方で、チームメイトのクリスチアーノ・ダ・マッタは、ヘレスで次のニュルブルクリンク(ヨーロッパGP)用のセットアップとタイヤのチョイスを行っていた。二つのテストプログラムを同時に行うということは大変なことで、チームのみんながどれだけハードな仕事を続けているかがわかると思う。良い結果を出すには、このような努力の積み重ねが必要なんだ。

ニュルブルクリンクは、ドライブしていて楽しいコースで、いくつかのテクニカルセクションをうまく走れると本当に満足感がある。しかし、あまり抜くチャンスがないコースでもある。

また、TF103が今シーズン、ニュルブルクリンクのような低速サーキットで苦戦しているので、パナソニック・トヨタ・レーシングとしては難しい状況にあると言わなくてはならないだろう。このコースには、いくつか高速コーナーはあるけれど、走行中に空力によってタイムに違いが出るほどのコーナーではない。低速でクルマは少々不安定になることがあり、低速コーナーの進入時にタイムロスが出てしまう。
ニュルブルクリンクでは、現在の多くのサーキットでもそうであるように、最大のダウンフォースをつけるセットアップをする。低速コーナーではメカニカルグリップが重要で、こういったグリップは、良いサスペンションや、また、コーナーの出口などではトラクション・コントロールシステムによって得られる。もちろん、タイヤも重要な要素で、ミシュランがこれまで同様に、良いタイヤを供給してくれると確信している。

クルマの持つ力をヨーロッパGPで最大限に引き出すことができれば、僕も納得できるだろう。TF103をベストな状態にできれば良い結果を得られるのはわかっている。しかし、フェラーリ、マクラーレン、BMWウイリアムズ、そしてルノーのトップ4チームの信頼性は高く、ポイント獲得することがより難しさを増している状況だ。しかし、僕達はどのレースでも、入賞を目標にしてチャレンジを続けている。

パナソニック・トヨタ・レーシングにとって、ヨーロッパGPはホームレースだ。チームのファクトリーから、ニュルブルクリンクまでは、車でわずか45分の距離なので、多くの従業員がサーキットへ応援に来てくれる。スタッフみんなのハードワークと気持ちに報いるためにも、再びポイント獲得したいと心から思っている。