第9戦 ヨーロッパGP 2003
2003年06月30日(月)
クリスチアーノ・ダ・マッタ - ヨーロッパGPを終えて
ヨーロッパGPを完走できなかったことは残念だったけれど、それでもとてもポジティブな週末だったと思っている。ニュルブルクリンクでTF103をドライブするのは楽しかった。僕達のクルマは、特に周半ばの高速コーナーではコンペティティブだった。
1996年にF3000のレースをして以来、僕はニュルブルクリンクを走っていなかったので、金曜日の最初のセッションは、ほとんどをコースを覚えることに費やした。サーキットの初めのセクションは僕が最後に走ったときから変更されていて、少し低速過ぎると感じ、以前のS字の方が攻め甲斐があって良かったなと思った。このセクションにクルマを合わせるのには少し時間がかかり、特に第1コーナーのブレーキングは週末を通じてずっと不安定だった。
金曜日午後の1ラップアタックの予選は、僕がコースに出たときにはもう雨でコースが濡れていた。そして、僕が溝付きのタイヤでアタックに入ったところで雨が急に激しくなり、まるで悪夢のようだった。アタックに入ってすぐにスピンしてしまい、チームからも安全性を考えてアタックを中止するように指示された。そのためにフィニッシュラインを通過せずにそのままピットに戻ったんだ。そして、土曜日の最終予選では2番目にスタートすることになり、まだ路面が良くない状況で走らなくてはならなかった。そうでなければ、もっと良いポジションを得られていたと思う。
土曜日午前中の45分間のフリー走行では、僕は低速セクションのコーナー頂点付近でアンダーステアに苦しんでいた。そこでチームメイトのオリビエ・パニスのセットアップを導入してみたところ、すぐにハンドリングが良くなって、午後の予選に向けて準備万全な気持ちになれた。
路面がまだ、かなり滑りやすかったことを考えれば、僕の予選アタックは悪くはなかった。しかし、オリビエのタイムに近づけなかったことは残念だった。彼は僕より0.6秒も速かったので、このセッションでのテレメトリーデータを比較してみたんだ。そこでようやく、僕は今まで気付いていなかった、セクターを速く走る秘訣に気が付いたんだ。それでもグリッドは10番手だったから、まずまずの出来だったと思っている。3戦連続で予選トップ10という結果に、そんなにがっかりする必要はないと思っている。
決勝では良いスタートを切って、グリッドポジションの10番手のままで1周目を終えた。最初のピットストップまでクルマは快調で、目の前を走っていたDクルサードやオリビエにも遅れはとらなかった。タイヤの摩耗が進んでしまったけれど、あまりひどい状態ではなかったし、クルマはとても安定していた。そして最初のピットストップも問題なくこなした。しかし、その2周後にノーズ交換のために再びピットインしなくてはならなかった。
シケインに進入したときに、左側の縁石に深く入りすぎて、シケインをカットしないように立っているポールをヒットしてしまった。ステアリングからは何も感じなかったから、ウイングが壊れているのが見えたとき、正直言ってちょっとショックだった。
再度のピットインでは、メカニック達が15秒足らずでノーズ交換をしてくれた。しかしその時点で僕がポイント圏内でフィニッシュする可能性はなくなってしまった。追っていた集団からは離されてしまったけれど、ハードにドライブを続けたので、良い走行データを得ることができた。油圧が落ちてきて、ゴールまでほんのわずかという54周目にエンジンが壊れてしまうまでは、僕はかなり良いペースで走行できたし、快調だった。
チームメンバーはみんな、僕達のクルマはポイントを獲得できる仕上がりになっていたとわかっていたから、今回はオリビエも完走できなかったために、レース後のパナソニック・トヨタ・レーシングのガレージは、すっかり気落ちした雰囲気になってしまっていた。このレースではMウェーバー、Jバトン、Nハイドフェルドがポイントを獲得したけれど、僕らはリタイアするまで彼らの前を走っていたんだ。
けれども、少なくとも僕達は速かった! 状況を立て直す次のレースまでは、長々待つ必要もない。マニクールでのレースは、もう次の週末に迫っている。フランスGPでは絶対ポイント圏内でフィニッシュできるはずだ!
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