第10戦 フランスGP 2003
2003年07月07日(月)
クリスチアーノ・ダ・マッタ - フランスGPを終えて
パナソニック・トヨタ・レーシングにとって、フランスGPでの重要課題のひとつは、クルマの信頼性を再確認することだった。僕は、カナダとヨーロッパGPでは、レース終了直前にリタイヤしてしまっているので、何をさておいても2台揃っての完走が求められていた。そしてそれは達成することができた。
しかし、パフォーマンスの点では、マニクール・サーキットで期待していたほどの成果を出せなかった。中速、高速コーナーが多いこのコースは、机上ではTF103向きとされていて、オリビエが彼の母国のファンの前で8位入賞できたことは本当に良かったから、結果としては悪いものではなかった。けれど、僕としては、当初見込んでいたほど良い結果ではなかった。金曜日午前中、1時間のフリー走行が雨となってしまい、ドライコンディションで走行できなかったことが最後まで響いたと思う。
金曜日の午後は、セッションを通じて路面が乾き続けたため、スタート順がタイムに影響した。僕は、インターミディエイトタイヤを装着してコースイン。その状況では、判断は正しかったと思う一方、ものすごい勢いでコースが乾いていくことには驚かされた。僕は10番手、状況としてはまずまずのポジションだったけれど、ミナルディのヨス・フェルスタッペンがトップに立ったことには、うれしく思った。
金曜日にドライで走れなかったことで、土曜日午前中のうちに、ミシュランが今回用意してくれた2種類のタイヤをほんの少しの周回数だけで評価し、チョイスしなくてはならなくなった。僕達が選択した固めのタイヤと2ストップ作戦は、はたして正しかったのだろうかと思う。3ストップ作戦のチームより、多くの燃料を積まなくてはならなかったし、僕はレース中タイヤを削るような路面に苦しめられて、タイヤが激しく摩耗してしまった。
土曜日の予選、ワン・ラップアタックで13番手のグリッドを獲得でき、オリビエから0.7秒しか遅れなかったタイムには満足している。最後のシケインでタイムロスしなかったら、もっとタイムアップできたと思う。左側の縁石に深く乗り上げすぎてしまって、それでコンマ1秒か2秒遅くなってしまった。そこがうまく行けていれば、もう少し上のグリッドを獲得できていたかもしれない。
決勝11位フィニッシュは、おおよそ予想していた順位だった。多くのドライバーは3ストップ作戦を採っていて、2ストップの僕は彼らより多くの燃料を積んでいたために、ペースが上げられなくて苦労した。ピットストップの時間もライバルより多くの燃料を補給しなくてはならないから長くなってしまい、その時にAピッツォニアに抜かれたことは悔しかった。
今、僕達は2週間後のシルバーストーンで行われるイギリスGPに期待を膨らませていて、上位フィニッシュにも自信を持っている。1ヶ月前そこで行ったテストでも、クルマはとてもコンペティティブだったし、レースでは、新しいパーツも導入される予定だ。これでハンドリングもきっと今までより良くなるだろう。
実は、その前に僕をとても忙しいスケジュールが待ち受けている。マニクールから直接バルセロナへ飛んでテストを行い、金曜日にはイギリスへ行き、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに出席する。詳細はこれから聞かされるだろうけれど、グッドウッドでTF103をドライブしてほしいという要請を受けている。これは面白そうだ。
僕は、モータースポーツの歴史に興味があるから、古いクルマをいろいろ見られることを楽しみにしている。そしてたくさんのファンの皆さんと会えるのも楽しみだ。来場したらぜひトヨタのスタンドを訪ねて欲しい。
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