第11戦 イギリスGP 2003

2003年07月15日(火)

オリビエ・パニス - イギリスGPへ向けて

2週間前のフランスGPにおいて僕は、10年のF1キャリアで初めて母国グランプリでポイントを獲得することができ、今週末のイギリスGPへ向けて自信を持って臨む。中速と高速サーキットでドライブしやすい僕達のTF103は、超高速コースのシルバーストーンと相性が良いと思っている。

スパ・フランコルシャンや鈴鹿に続き、シルバーストーンも僕の好きなサーキットのひとつだ。イギリスのチームに所属して走ったこともあるし、多くのテストもここで行ってきたから、コースは良く知っている。そして、このコースは、クルマの性能を最大限に引き出すためには、ハードなドライビングが必要なサーキットでもある。

コースの最初のセクションが一番おもしろくて、第1コーナーが完全なブラインドになっているのに、6速ギアでアクセル全開だ。そして、すぐにベケッツコーナーに進入する。このコーナーは世界でも最高のコーナーだ。高速の右コーナーに6速でアクセル全開のまま進入して行って、高速のまま方向を変える。ここでは本当に正確なドライビングをしないとタイムロスしやすい。横Gがものすごくて、エキサイティングなポイントだ。

チームメイトのクリスチアーノ・ダ・マッタが6週間前にこのコースでテストを行っていて、パナソニック・トヨタ・レーシングは良いデータを大量に収集している。僕は、モンツァでテストしていたので、参加できなかったけれど、クリスチアーノからTF103は、セッティングの変更に良く反応してブレーキングで安定していたと聞いている。このコースでは何カ所かハードブレーキングを行うポイントがあるので、それは重要だ。

今回、自信があるもうひとつの理由は、新しい空力パーツが導入されるからで、それを最初に先週バルセロナでテストしてみると、まるでクルマが大きく進歩したようになった。ラップタイムが良く、安定していた。二つのサーキットは似通ったレイアウトになっているのでシルバーストーンで良い結果が望めない訳がない。実際、イギリスGPでより上位の入賞が達成できなければがっかりするだろう。もちろん、ポイント獲得は今後全てのレースで目標としていかなくてはならないところでもある。

コース以外の点でも僕はシルバーストーンに来るファンに会うことを楽しみにしている。イギリスのファンはレースを良く知っていて、地元英国人に限らずすべてのドライバーにも敬意を表してくれる。それは素晴らしいことだと思う。先週末グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで会ったファンも同じだった。僕はこのイベントで日曜日に2回TF103をドライブした。マーチ卿が主催しているこのイベントに僕は初めて参加したのだけれど、ファンの人達の熱気に圧倒された。僕は滞在中に2万人くらいにはサインしたのではないかと思うほどだったよ!

グッドウッドの後も、僕はクリスチアーノと一緒に、英国トヨタのPRイベントに参加して忙しいスケジュールに追われ、そのままイギリスに滞在している。僕達は青少年犯罪者更生協会を訪ねた。この組織は、トヨタがサポートしていて、子供達を保護して更生、職業訓練をするプロジェクトだ。また、ダービー近郊にあるトヨタの現地工場も訪ねた。いつも驚かされるのは、世界のどこへいってもトヨタの市販車生産工場では素晴らしい歓迎とサポートを受けることだ。まるでひとつの大きな家族の一員であるような気持ちになる。

シルバーストーンには、たくさんのサポーターが来てくれることだろう。素晴らしいレースを見てもらうことができればと思っているよ。