第11戦 イギリスGP 2003

2003年07月18日(金)

イギリスGP - 予選1日目レポート

オリビエ・パニスがシルバーストーンで開催されるF1選手権第11戦イギリスGP予選1日目において5番手タイムを叩き出しパナソニック・トヨタ・レーシングチームは大いに盛り上がった。

パニスは、先週末にグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに参加した後にシルバーストーン入り。最近のテストで開発され、その効果が証明されている新しい空力のパッケージに期待を寄せていた。

彼のラップタイム1分19秒958は、暫定のポールポジションとなったフェラーリのMシューマッハーのタイムからコンマ5秒内のものだった。チームメイトのクリスチアーノ・ダ・マッタは1分20秒765をマークして、2台のTF103がトップ10内に食い込んだ。

「シルバーストーンは、僕がこれまで多くのテストをこなしてきたテクニカルで攻め甲斐のある素晴らしいサーキットだ。うまく走るのがすごく難しいサーキットだからこそ走っていて楽しい。クルマの感触はとても良くて、5番手というポジションは別として、最速のクルマ達と比較しても僕らのペースは良い。これまでよりも相当トップグループに接近している」とパニスはコメントしている。

ダ・マッタもシルバーストーンが好きなサーキットで、このノーザンンプトン州にあるサーキットでヨーロッパに渡ってすぐの若き時代にキャリアを積んだ。そして先月にTF103のテストでよい結果を出している。

「最初のふたつのセクターでもっとタイムを短縮できそうだ。クルマがコンペティティブで2台共にトップ10に入れたというのは良いニュースだ。そして、この週末は大いに期待している」とダ・マッタはコメントしている。

パニスは、最初のセクターで最速のグループに属している。このセクションはベケッツの複合コーナーがあって、高速での安定性と的確に方向を変えることがキーポントとなる。

上位では、選手権ポイントリーダーのMシューマッハーが1分19秒474で2番手のBMWウイリアムズ、JPモントーヤに0.27秒差をつけ、弟のラルフは、モントーヤから0.04秒遅れて3番手。ルノーのFアロンソが1分19秒907で4番手。

オリビエの背後にはルノーのJトゥルーリが1分19秒963で6番手、マクラーレン・メルセデスのDクルサードが1分19秒968と4台がコンマ1秒内にひしめいている。

「オリビエがコントロールラインを通過してモニターにタイムは表示された時、スタッフの全員から歓声がわいた。チームにとっては本当に嬉しい瞬間だった。よけいなことを言いたくないけれど、われわれは、好調だ!」とチーム代表のオベ・アンダーソンはコメントしている。

シルバーストーンでは空力がキーポイントで、パナソニック・トヨタ・レーシングがシーズン前半に3ポイントを獲得したバルセロナと似てなくはない。

空力担当のレネ・ハイホーストが説明してくれた。「今回シルバーストーンに持ち込んだ空力のパッケージは、これまで使ってきた2パッケージからもディファイしたものではない。シーズン中に特別な形状の空力パーツが必要なのは少なくて、カナダとかモンツァくらいだ。それらのレースには完全な修正型の空力パーツを使う。シルバーストーンはバルセロナに似たサーキットで、空力のセッティングでは特別なものは必要ない。しかしながら、われわれはシルバーストーンでも新たな試みをしてみようと思い、新しいフロントウイング、エンジンカバー、バージボードを使ってみた。このパーツは先週バルセロナで徹底的にテストを行い、今日のフリー走行と予選で威力を発揮した」