第11戦 イギリスGP 2003
2003年07月20日(日)
イギリスGP - 決勝レポート
クリスチアーノ・ダ・マッタがパナソニック・トヨタ・レーシングに7位フィニッシュをもたらし、ドラマチックな展開を示したイギリスGPで彼は何と17周もの間トップを走行したのだった。
2回のセイフティーカーが導入されるという展開の中で皆の戦略は崩れ去って、他のイベント以上に順位が目まぐるしく変化した。
最初のセイフティカーは、7周目に突入したときにマクラーレン・メルセデスのDクルサードのクルマから落ちた破片がコプスコーナーの走行ラインのすぐ外側に落ちてしまったことでコースインした。トヨタの2台は瞬時にクルサードと共にピットインを行った。
そのわずか7周後、予定の燃料給油前に、またしてもセイフティーカーがコースイン。今度は、コース上に観客が乱入してしまい、ハンガーストレートを走ってしまったのだ。この2度のチャンスでほとんどのドライバーがどんどんとピットインを行った。
2台のTF103は、最初のセイフティーカーがコースインしたときにピットインを済ませていた。これで選手権ポイントトップのマクラーレン・メルセデス、Kライコネンを退けてダ・マッタが13周目から次の給油を行う30周までレースをリードした。レースの半ばにピットインしたダ・マッタはゴールにたどり着ける分の燃料を補給すべきだった、しかし、そうすると集団から遅れるし、リヤタイヤの摩耗が終盤に激しいとチームはわかっていた。
「チームの作戦は最高だった。最後のスティントであまりクルマのバランスは良くなかったけれど、最初と2番目のスティントのバランスは良かった。最後のスティントではひどいアンダーステアーが高速のセクションで出てしまい、ひどいオーバーステアーが低速のセクションで出てしまった。しかし、ここまでクルマを開発できたことにとてもうれしく思った。まだやらなくてはならないことはあるけれど、マクラーレンやウイリアムズがこれまでどれだけのキャリアを積んできているかを忘れてはならない」とダ・マッタはコメントしている。
オリビエ・パニスは、最初のピットインでダ・マッタの作業が終わるまで待たなくてはならなかった。そして彼は11位でレースを終えた。
「まずまずじゃないかな。チームが2ポイントを獲得できた。しかし、それ以上に僕らはこの週末に好調であったことを皆に示すことができた。これまでの3戦でポイントゲットできたし、金曜日には皆が少ない燃料を積んでいるなかで5番手のタイムを出せた。僕らがどんどんとコンペティティブになっているのをお見せできた。今日、コースに出てきた観客は信じられない奴だ。僕の直前のクルマが避けた時、彼は、6速ギアで270キロの速度で走行していた僕の左側2メーターくらいのところに居たんだ」とパニスはコメントしている。
パナソニック・トヨタ・レーシングのチーム代表、オベ・アンダーソンは、「レースをリードするというのは素晴らしいことだ。このレースでトップに立てるとはあまり考えてなかったので、すごくうれしかった。われわれはクリスチアーノの作戦を変更したが、それによってタイヤに支障が出てしまった。コースに乱入した観客は、すでにピットストップを行っていたわれわれには不都合を生じさせると思ったが、それがそうではなく、アドバンテージを生んでくれた。この週末でチームの本当のレーシングパフォーマンスを正確に示したと思っている。本年トップチームとの差は昨年よりも確実に狭まっている」とコメントしている。
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