第12戦 ドイツGP 2003
2003年07月25日(金)
オリビエ・パニス - ドイツGPへ向けて
シルバーストーンはパナソニック・トヨタ・レーシングにとって素晴らしいレースだった。シーズンが始まる前には、レースで2台が1位と2位を走行することができるとは思っていなかったので、あの瞬間は僕達全員にとって特別なものだった。
週末を通じてチーム全員が素晴らしい仕事ができたし、レースの結果はチーム全体が力をつけてきたことを証明したと思っている。今回僕達は新しい空力パーツを導入した。これによって全てのセクションでハンドリングが向上したので、トップチームと同じペースで走行することができるようになったんだ。まだ、トップチームと同じ速さを示しているとは言えないが、パナソニック・トヨタ・レーシングは、実力で選手権シリーズを闘える存在にまで自らを高めることができた。これこそ僕達が求めていたことだったんだ。
クリスチアーノと僕は、ここ数週間、忙しいスケジュールをこなしてきた。ヨーロッパGP、フランスGP、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード、そしてイギリスGPの4週末を終えて、この週末ではやっと家でゆっくりすることができた。
また、今週はテストがないけれど、今度のドイツGP には自信を持っている。クルマの状態も良いはずだ。シルバーストーンで使った空力パーツを調整すると同時に、ドイツGPに向けてエンジンの開発が行われ、かなり良くなっている。シルバーストーンに向かう前にバルセロナでエンジンのテストを行ったところ、新しいエンジンは、広いエンジン回転域でとても扱いやすくなっていた。
昨年に改修された新しいホッケンハイムのコースに、僕はまだ慣れていない。感じとしては、昔と全然違っていて、広くなり、スピードが遅くなったみたいだ。旧コースは、長いストレートだらけで、ブレーキングを遅らせてタイムを出すという、本当にスピードを感じる高速サーキットだった。昨年この短くなった4.574キロのコースを初めて走ったときは、はっきり言って好きではなかった。どこかリズムがつかみにくかったんだ。しかし、周回を重ねていくとだんだんと好きになった。そして、今週末に良いタイムが出れば、絶対に好きになる!
コース幅が広いという点では、各コーナーでいくつかの走行ラインをとることができるので、追い抜きのチャンスが増える。また、コースの傾斜が頻繁に変化しているために、技術面でクルマのセットアップがとても難しい。このコースは、近年の多くのコースがそうであるように、コーナーで多くのダウンフォースを得られるサーキットだ。クルマ自体は、ダウンフォースの少ない滑りやすい空力の状態なので、ウイングを立てていてもストレートでは速度が落ちすぎずに走行できる。今回、リヤウイングなど、また新たな空力パーツを導入する。このパーツによって、さらに多くのダウンフォースが得られるだろう。リアタイアの摩耗状況の改善がもう少し必要だけれど、これでタイムアップできると期待している。
パナソニック・トヨタ・レーシングは、過去4レース中3レースで4ポイントを獲得した。僕がカナダとフランスで1ポイントづつ、クリスチアーノがシルバーストーンで2ポイントを得た。コンストラクターズポイントでは、トップ4チームに続く5番手とはわずかに7ポイント差だ。このポイント獲得のムードをドイツでも続けて行きたいと思っている。
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