第12戦 ドイツGP 2003
2003年08月04日(月)
クリスチアーノ・ダ・マッタ - ドイツGPを終えて
僕とオリビエがトップ6以内で完走したドイツGPは、パナソニック・トヨタ・レーシングにとって最高のレースだった。僕達はレースウィークを通じて、本来の戦闘力を発揮して5位と6位を獲得、コンストラクター選手権のポイントを7点加算して9位から6位へ順位を上げた。
この数ヶ月間、過酷な車両開発のスケジュールで頑張ってくれたスタッフ達にとっても、最高のご褒美となった。先月のイギリスGPでは空力のパーツを導入、今回のドイツGPでは新スペックエンジンが投入されている。このエンジンが以前のものに比べてとても扱いやすくなっていた。
ホッケンハイムの新しいコースレイアウトは、僕が1996年にF3000でレースをしたことがある旧コースに比べて、断然体力的にきつい。旧コースでは長いストレートを走行しているときには、クールダウンすることができたけれど、新コースは、常にステアリングを切っているので一息つく暇もないんだ。
しかし、新コースは、レイアウトがとても把握しやすいから、旧コースの方が難しかったと思う。近代的な他のコースと変わらず、またTF103の調子が最初のフリー走行から良かったこともあって、10周も走れば慣れてしまった。
グリップ感も良かったし、金曜日に行ったロングランでも一貫したラップタイムを刻めていたにも関わらず、1回目の予選順位が15位だったことにはちょっとがっかりした。僕自身がいくつかミスしてしまい、それさえなければもう少し上位に行けた感もあり、また、このところトップ10が当たり前となっていたので、特にその順位にはちょっとショックを受けてしまった。
土曜日の予選9番手は良かったけれど、クルマの性能を100%引き出せたわけではなかった。最終コーナーの出口で失敗してしまい、1分16秒5のタイムは本当に残念だった。
タイムアタックの周、最初のセクターは順調だったけれど、第2セクターのはじめにあるヘアピンコーナーの出口で不運なミスをしてしまった。ヘアピンコーナーの頂点でハンドルをいっぱいに切っていたときに、指がシフトアップレバーに触れてしまい、2速ギアに入り減速してしまったんだ。後でエンジニアに聞いたら、0.2秒くらいは損してしまったらしい。
また、最終コーナーを通過するところでは、少しアンダーステアーが出てしまい、コーナーの出口でふくらんでしまった。リアタイヤがダートにはみ出てしまったので、コースアウトしてしまうのを避けるために、アクセルを戻すより他はなかったんだ。ここでもコンマ何秒か損してしまった。それがなければもっと速く走れたし、オリビエとの差をもっと縮めることだってできたはずだ。日曜の決勝レースでは、1周違いでピットインすることになっていたので、僕達はだいたい同じ位の燃料を積んで予選に臨んでいた。
オリビエと一緒に67周のレースをトラブルもなく楽しく走り切ることができた。ピットストップもとても順調に行えて、3ストップ作戦によってトップ6に2台が食い込むという素晴らしい成績を修めることができた。僕は6位でフィニッシュして3ポイントを獲得。ドライバー選手権では12位に順位を上げてトップ10まではわずかに4ポイント差となった。
これからの2週間、僕は地元のブラジル、ベロ・ホリゾンテで休暇を取るつもりだ。選手権シリーズの終盤戦に向けて充電するためには、この方法が一番だ。チームスタッフの皆も残る4戦で頑張ってさらにポイントを稼ぎ、コンストラクター選手権で6位というポジションを確固たるものにするためにも、時間を見つけて休養して欲しいと思う。
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