第13戦 ハンガリーGP 2003

2003年08月26日(火)

クリスチアーノ・ダ・マッタ - ハンガリーGPを終えて

ハンガリーGPは、僕自身のミスでエンジンストールを起こしてしまい、スタートを切る前にレースを台なしにしてしまうという残念な結果となってしまった。ラウンチコントロールシステムのボタンを押すのが少しだけ早過ぎてクルマが動いてしまったので、フライングスタートのペナルティーを受けないようにブレーキを踏んだら、エンジンがストールしてしまったんだ。マーシャルがすぐに僕のクルマをピットロードへ押し出してくれて、そこからレースに復帰したけれど、すでに1周遅れとなっていて、その時点でポイント獲得は無理だなと思った。

決勝ではクルマの調子が最高だったので、余計に悔しさが募った。コース上にタイヤのゴムが付着してからはクルマのバランスがとても良くて、ピットストップ毎にニュータイヤに交換したら僕のペースは速くなり、ラップタイムは決勝中5番手を記録することができた。

金曜日と土曜日には苦しんだけれど、決勝中のハンドリングは、レースウィーク中では最高だった。金曜日の最初のフリー走行は、まだコースを学んでいる状態だったので、あまり攻めなかったけれど、ひどいアンダーステアーが出てしまっていた。コース路面は、走行ラインでもすごく埃っぽくてクルマのセットアップを行うことも充分にできなかった。タイムが向上したのは、セットアップのせいではなくてコースコンディションが良くなったからだった。この状況は、他のドライバー達でも同じことだったと思う。

ハンガロリンクサーキットの最初の印象は、あまり良いものではなかった。コース幅がF1のクルマには狭くて、全てのコーナーが2速、3速ギアで走行する。でも、走っているうちに印象が変わって、とても攻めがいがあって、難しいコースだと分かった。

金曜日の予選では、最初の2セクターは良かったけれど、最終コーナー手前でスピンしてしまい、これが原因で20番手となってしまった。いまだに何が起こったのか分からない。クルマがコーナーに進入したときには問題なかったが、コーナーの中心でリアのグリップが無くなってしまった。普通はこんなことはなかった。クルマの走行状況をモニターするテレメトリーシステムでは異常は発見できなかったけれど、クルマに何か起こってしまったのではないかと思う。

土曜日のフリー走行とウォームアップで何回かスピンしてしまい、予選に向けて十分な準備を行うことができなかった。そこで、あまり攻めすぎず、きちんと1周を走りきるという控えめの作戦をとることにした。

調子が良ければ、0.3秒速く走れたと思うし、コース上にタイヤのゴムがついてコンディションが良くなれば、その倍速く走れるのではないかと思う。そして後半でコースインしたドライバー達は、コースコンディションの好転によって、シーズン中でも最も大きなアドバンテージを得られたのではないだろうか。そういった状況が全てまとまった状態で僕が走れたのなら、パナソニック・トヨタ・レーシングでの僕のチームメイト、オリビエ・パニスのような期待された予選結果を残せただろうと思う。

ハンガリーGPの後には3週間の間隔があくけれど、テストが行われるので、ハンガリーGP前のようにブラジルに帰れるほどの休みが取れる訳ではないんだ。前回の休みではこの3年間で初めて、2週間まるまる僕の故郷ベロ・ホリゾンテで過ごすことができ、いい休暇となった。今週は、いつものようにモナコに留まって、トレーニングと休養。9月14日に行われるイタリアGPを前に、来週から行われるモンツァのテストに備えている。
僕達のクルマはきっとモンツァでは調子がいいと期待しているから、またポイント獲得体制に戻れると楽しみにしている。