第14戦 イタリアGP 2003

2003年09月08日(月)

オリビエ・パニス - イタリアGPに向けて

残念な結果となった前戦ハンガリーGPだったけれど、今週末のイタリアGPではいつもの調子に戻るよう期待している。

TF103は、ハンガリーGPではとても調子が良かったのに、1ポイントも獲得することができなかった。僕達のクルマは通常、ハンガロリンクサーキットのような低速コースではあまり力を発揮できていないので、レース前には苦戦するだろうと思われていた。でも、予想に反して調子良かったんだ。予選では今シーズン11回目のトップ10に入り、クリスチアーノが決勝中に5番手のファステストタイムをたたき出して、僕達の実力を示すことができた。

イタリアGPの舞台、モンツァ・サーキットは、ハンガロリンクとは全く違うタイプのコースで長いストレート、ハイスピードとヘビーブレーキングのポイントがある。ハンガロリンクがシリーズ中一番の低速コースである一方、モンツァは超高速コースだ。走行中のトップスピードは時速330キロ以上になり、いかにトップスピードを稼ぐかチャレンジしなくてはならない。

先週僕達は、モンツァで3日間のテストを行い、多くの成果を得た。このテストは6月に行われたテストから継続されたもので、たくさんのパーツをテストし、いろいろとクルマのセットアップを変えてみた。そしてレースに向けて準備がしっかり整ったことを感じている。しかし、ほとんどのチームも先週モンツァでテストをしていて、それぞれ異なったプログラムを行っていたから、僕達が実際どれだけ戦えるかは、金曜日のフリー走行で走り出すまでわからない。

他のF1サーキットと違い、僕達はモンツァではトップスピードを稼ぐために、一枚のリアウイングを使う。クルマのセットアップは、ストレートエンドでトップスピードを稼ぐようにしないと、レースで抜かれてしまうリスクがある。抜かれたくはないから、空気抵抗を最小限にするように小さなリアウイングを使うんだ。

こういった小さなリアウイングで走る際に問題なのは、ダウンフォースが小さくなるために、ブレーキングの時にクルマの挙動が安定しないことだ。これが原因でブレーキをロックさせたり、ブレーキングポイントを間違ったり、最悪の場合スピンしてしまうということがよく起こる。

トップスピードから一気に減速するというのは非常に難しくて、特に4G以上の重力に耐えながらのドライビングでは大変なんだ。

ブレーキングは、ただ思いっ切り左のペダルを踏めばよいというものではなく、レース中にオーバーヒートさせないように注意しなくてはならない。ブレーキを適切にクーリングすることは、エンジニアにとって大きな課題だ。ブレーキのクーリングダクトを大きく開けすぎて冷やしすぎてもブレーキが正しく働かないし、クーリングが十分でないとオーバーヒートしてしまうからね。

そして、モンツァで速く走るためのもうひとつの重要な要素がエンジンだ。ストレートを速く走るためには大馬力が必要だけれど、僕達にはRVX-03というパワフルなエンジンがある。

僕の今週末の目標は、これまで通り予選でトップ10、決勝でポイント獲得だ。それが達成できればハッピーだ。