第14戦 イタリアGP 2003

2003年09月15日(月)

クリスチアーノ・ダ・マッタ - イタリアGPを終えて

3日間のテストを消化した後に臨んだ、イタリアGPでの僕達の目標は、予選でトップ10、決勝でトップ8フィニッシュだった。しかし、好調な出だしで始まったイタリアGPは、パナソニック・トヨタ・レーシングにとって本当に残念な決勝結果となってしまった。

週末の早い段階、僕達のTF103は、選手権ポイントを獲得できることを証明していたが、僕も、そして僕のチームメイト、オリビエ・パニスも53周の決勝レースでリタイアしてしまって、チームの努力が水の泡となってしまった。僕にとってF1のレースで完走できなかったのは、これが3度目だった。

僕のレースは、4周目に突然すごいバイブレーションをクルマの後ろから感じてコントロールを失い、終わりを告げてしまった。スピンしてグラベルトラップに突っ込むことしかできなかったけれど、トップスピードからパラボリカコーナーに進入する時だったから、それだけで済んでまだ良かったのかもしれない。

どうしてこのようなことになったのか分からないけれど、おそらく、スタートの際にグリッドの後方で起きた接触事故で散乱したカーボンファイバーの破片がタイヤに刺さってしまって、リアタイヤのパンクを引き起こしてしまったらしい。

レースを続けていられたら、どこまで行けたかは分からない。でも僕はアクシデントが起こった時くらいには、ちょうどリズムをつかみ始めていたところだったんだ。スタートがあまり良くなくて、第1シケインの進入でポジションをひとつ落としていた。しかし、前を走行しているクルマがリタイアしたために、順位がスタートポジションの12位に戻った。オープニングラップでのクルマのバランスはとても良かったので、そのままいけば、ポイント争いに加わる自信があった。

土曜日の予選ではとても運転しにくかったので、決勝ではハンドリングが改善されて良くなっていたのが嬉しかった。予選の時、1周目のクルマはオーバーステアぎみだったので、始めの2つのシケインをなんとか持ちこたえながら通過、第3セクターの始まりにあるアスカリシケインで、イン側の縁石にヒットしたところ、クルマの後部が跳ね返されて、そこでコンマ2,3秒ロスしてしまった。そのミスをしなかったならオリビエと同じくらいのタイムが出せて、決勝に向けてより期待がふくらんだはずだ。

スピードに関しては、金曜日のフリー走行で燃料を少なめに積んだ状態がベストで、走り出してすぐにバランスの良さを感じた。そのセッションで4番目のタイムをたたき出した。タイムを出したラップは、本当にうまく走れた。ブレーキングで攻めたけれど、攻めすぎはしなかったし、ブレーキングポイントを外すこともなかった。ドライバーは「完璧だ」なんてあまり言わないけれど、あれは、完璧に近かった。

残念だったモンツァから今シーズン最後の大きなテストウィークへ向かう。僕達はスペインのバルセロナとヘレスの両サーキットを走り、終盤2レースのために開発された新しいパーツをテストする。僕がバルセロナで2日間のテストをする一方、チームの第3ドライバー、リカルド・ゾンタがヘレスのテストを担当する。そしてオリビエは金曜日にポールリカールを走って、インディアナポリス(アメリカGP)と鈴鹿(日本GP)に向けての、あわただしいテストウィークを締めくくる予定だ。

インディアナポリスは、僕がアメリカでレースをしているときにも走ったことがないので、楽しみにしているんだ。最高の気分でレースできるだろうし、ぜひポイントを獲得したいと思う。僕はこの金曜日に30歳の誕生日を迎えるのだけれど、アメリカでポイント獲得できれば、少し遅れるけれど僕にとっては最高のプレゼントになるだろうね。