第15戦 アメリカGP 2003

2003年09月22日(月)

オリビエ・パニス - アメリカGPに向けて

2003年シーズンも大詰めを迎え、シーズンはインディアナポリスと鈴鹿の残り2レースとなり、ハンガリーとモンツァでの残念な結果を挽回すべく、ムードも上々でシーズン終盤に臨む。

シーズンも終盤になって、コンストラクター選手権の争いが激しさを増すと、2週間前のイタリアGPのように絶好のポイント獲得チャンスを失ってしまうということはもうできないし、残念な結果は、いつも以上に苛立ちが募ってしまう。

僕達はインディアナポリスへ今週末に乗り込むわけだが、先週3カ所、4日間のスケジュールで行ったテストは順調で、有益なテストデータも得ることができた。

僕は、ポールリカールで空力のテストを金曜日に行い、クリスチアーノはバルセロナで火曜日と水曜日にミシュランタイヤの比較テストと、鈴鹿で投入される予定の新スペックのエンジンテストを多忙なスケジュールでこなした。そしてサードドライバーのリカルド・ゾンタが、ヘレスで4日間通して長期開発プログラムに集中していた。

クリスチアーノと僕がアメリカGPへ向けて重要なテストを行っている時、ヘレスで行われていたリカルドのテストも同様に、今週末の僕達のパフォーマンスを左右する重要なものだった。ヘレスサーキットの中盤の曲がりくねったセクションはインディアナポリスのインフィールドのレイアウトに似ているので、絶好のテストグランドなんだ。

ヨーロッパにおいて3カ所で4日間のテストを挙行できるというのは、機動力の点から見てすごいことだ。これはパナソニック・トヨタ・レーシングの素晴らしさのひとつだ。スタッフ全員ががんばっているので、必ずや僕達は前進を続け、結果を出すと確信している。

僕は、インディアナポリスが大好きだ。歴史のある場所だし、決勝日の雰囲気は他のF1GPでは味わうことができないものだ。巨大なグランドスタンドを観客が埋め尽くした、その景観はすごい。

コースはとてもテクニカルで、クルマのセットアップはストレートでの最高速とインフィールドの低速コーナーを速くクリアーすることを両立しなくてはならない。実際には無理だが、セットアップとしてはピット前のストレートではウイングを寝かせて抵抗を少なくして17秒間くらいアクセル全開で走行し、コーナーではウイングを立ててダウンフォースを稼ぐ、そんなセットアップが理想なのだけれど・・・。

モンツァと同じように、決勝より予選でダウンフォースを多くしたセットアップを考えている。それは、土曜日のシングルカーアタックの予選では追い抜かれる心配はないけれど、レースになったらダウンフォースが多すぎると、最も追い抜きが行われる1コーナーでパスされるリスクがあるからだ。

チームの目標は、シーズンを通じての目標と同じ予選トップ10、決勝でポイント獲得だ。これまで14のGPを終えて少なくともTF103の一台がグリッドの前半に位置したレースが12ある。だから、今回もトップ10グリッドに入れないわけがないし、現在、二人合わせて14点の選手権ポイントをもっと増やしたいと思っている。