第15戦 アメリカGP 2003
2003年09月26日(金)
アメリカGP - 予選1日目レポート
最終戦を前にしたアメリカGPの予選初日は、天候に左右される結果となった。この週末の動向を占う初日ではあるが、そのタイムに関してはほとんど意味を持たないものとなってしまった。パナソニック・トヨタ・レーシングのクリスチアーノ・ダ・マッタは1分11秒949で11番手、オリビエ・パニスは1分17秒666で14番手という結果だった。
CARTのチャンピオンであるダ・マッタは、アメリカの地で再びそのドライビングを楽しんだ。しかし、彼はインディアナポリスを走った経験があると思われているけれど、<500マイル>はインディ・レーシング・リーグによって近年行われていたので、今回が彼にとってこれが初めてのインディアナポリス・モーター・スピードウエイ(IMS)となった。
「やっぱりIMSは素晴らしい所だった。でも今日は午前中のフリー走行がウエット-ドライ-ウエットというコンディションで満足にコースを把握することすらできなかったからフラストレーションがたまった。明日はドライで走りたい。予選では僕がコースインする前に雨が降り始めてしまって、前半でアタックしたドライバーのように完全なドライコンディションで走行できなかった。でも、クルマのハンドリングはとても良かったから結果は気にしていない」とダ・マッタはコメントしている。
パニスは、フリー走行で素晴らしい3番手のタイムを叩き出した。そのタイムはトップタイムから僅か0.23秒差というものだった。しかし、雨がせっかくコース上に着いたゴムを洗い流してしまって、獲得選手権ポイントの高い順からコースインする金曜日の予選では序盤にアタックしなくてはならないドライバーにとっては不利の状況となってしまった。単純に走行の順番があとになればなるほど前のクルマがが走行ラインに付着させたゴムによってグリップが増すことになる。
パニスの好調さとともに、ダ・マッタの走行も雨によってすべて台無しになってしまった。
「雨の降り始めは、インターミディエートタイヤにマッチする状況だったけれど、その後本降りになって完全なウエットとなってしまった。フリー走行で多くの燃料を積んだ状態でも3番手のタイムを出せたことを考えるとちょっとがっかりした。まあ、明日が重要だし、もう少し運も味方してくれれば、良い結果を出せると思う」とパニスはコメントしている。
ルノーチームのJトゥルーリが1分9秒556のベストタイムを叩き出し、それにフェラーリのRバリチェロが1分9秒835で続いた。3番手がジャガーのMウェーバー、1分10秒081。4番手がBMWウイリアムズのRシューマッハー、1分10秒222。チャンピオン争いを演じているJPモントーヤが5番手、1分10秒372。マクラーレン・メルセデスのDクルサードが1分10秒450で6番手。MシューマッハーとKライコネンが8番手と9番手に位置している。
パナソニック・トヨタ・レーシングのチームマネージャー、アンジュ・パスカリは「天候は誰にも計算できない。IMSでは高速の最終コーナーからストレート区間とタイトなインフィールドの双方を両立するクルマのセットアップをしなくてはならないのに、このコンディションにはまったく混乱させられた。セッティング作業が進まなかったのは残念だが、これは他のチームにも共通していることだ。まあ、明日は雨は降らなければ良い結果を残すことができるだろう」とコメントしている。
チームの本拠地から大西洋を渡って訪れたアメリカGPの開催地インディアナポリスは、ファクトリーのあるドイツ・ケルンと姉妹都市であり、パナソニック・トヨタ・レーシングにとってはもう一つのホーム・レースとなる。インディアナポリスとケルンの友好のために週末はポイントを獲得したい。
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