第15戦 アメリカGP 2003

2003年09月28日(日)

アメリカGP - 決勝レポート

パナソニック・トヨタ・レーシングのオリビエ・パニスが同チームで32レース目にして自己最高記録タイの予選3番手という素晴らしい活躍をし、決勝が大いに期待されたインディアナポリスで開催されたアメリカGPだったが、不安定な天候状況と不運によってそれまでの努力が報われることなく、ポイントを獲得する事はできなかった。

スタート後5周で雨が降り始めるという状況で、チームはそのまま雨が降り続くと判断してパニスとダ・マッタの両ドライバーをピットインさせて雨用タイヤに交換することにした。しかし、不運にも降りは強くなることはなく、15周後に両ドライバー共にドライ用のタイヤに交換。これで重要な意味を持ったポイント獲得のチャンスを失ってしまった。

パニスには、困難が重なっていた。最初のピットストップ後にトラクションコントロールセッティングをウエット用に変更できずにいた。そして最終的に彼は27周目の第7ターンでスピンオフしてしまった。

「状況が悪くなり始めたらたら、どんどんと悪くなった。予選での素晴らしいパフォーマンスを見て多くの関係者が燃料を少なくして走っていたんじゃないかと疑っていたが、われわれの作戦では19周目までピットインしない予定だった。もし、コンディションがドライだったら優位に立っていたはずだ。そして、Dクルサードと接触してしまってノーズ交換のために再びピットインしなくてはならなかった」とパニスはコメントしている。

ダ・マッタのピットイン作戦もパニスと同じだったが、パニスが先にピットインして1周後にダ・マッタが入る予定だったが、彼はピットレーンスピード違反のペナルティーとして再度ピットレーンを通過しなくてはならなかった。

「序盤から状況は悪くなっていった。ハンガリーの時と同じように1ラップ遅れになったらどうしようもない。皆に困難な状況は、言い換えればチャンスでもあるんだ。しかし、今回われわれは、ポイントゲットできる速さを持っていながら、うまくチャンスを生かせなかった」とダ・マッタはコメントしている。

フェラーリチームのMシューマッハーが優勝して6度目のタイトル獲得に王手をかけた。最終戦の日本GPでKライコネンが優勝しても8位以内でフィニッシュすればチャンピオンを獲得できる。ライコネンは2位、ザウバー・ペトロナスチームのHHフレンツェンが3位となった。ルノーチームのJトゥルーリが4位、以下ザウバーのNハイドフェルド、BMWウイリアムズのJPモントーヤ、ジョーダン・フォードのGフィジケラ、ジャガーのJウィルソンの順。

コンストラクターズ選手権の5位争いはこれまでにない激しい状況となった。ザウバーが今回の活躍で19ポイントとなってBARホンダとジャガーを抜き、現在5位となったのだ。パナソニック・トヨタ・レーシングは14ポイント、ジョーダン・フォードが13ポイントで6ポイントの間に5チームがひしめき合っている。選手権争いはトヨタのホームGPとなる日本GPで決着がつくこととなった。

チームマネージャーのアンジュ・パスカリは「今回われわれが特に変わった作戦を獲らなかったのにギャンブルに出たと思っていた人が居たみたいだ。レースのオペレーションは把握している情報内でしかさい配することしかできない。われわれは、雨が強くなると思って両ドライバーをピットインさせた。うまく行っていたらヒーローだったし、そうでなかったらその反対だ。今日われわれは、ついていなかった。2週間後に行われるわれわれのホームGP、鈴鹿で素晴らしいパフォーマンスを発揮するべく集中するのみだ」とコメントした。