第15戦 アメリカGP 2003
2003年09月28日(日)
アメリカGP決勝 雨に祟られ辛苦のバトル C.ダ・マッタが9位
スタートダッシュで2位躍進のO.パニスは期待虚しく戦線離脱、雪辱戦日本GPへ
2003年9月28日(日)(アメリカ・インディアナポリス発)
F1第15戦アメリカGPの決勝レースが、9月28日(日)アメリカのインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われた。
スタート30分前に、一瞬、大粒の雨がシャワーのように降り注ぎ、変りやすい天候が危惧される中、午後1時に73周の決勝レースがスタート。厚い曇に覆われているとはいえ、ほぼ路面は乾き始めたドライコンディションの下、セカンドロー3番手グリッドのO.パニスは絶妙なスタートを切り、見事2位で第1コーナーへ。C.ダ・マッタも10位で序盤戦へと突入した。しかし、2周目には、小雨が落ち始め、5周目には、本降りの様相。パナソニック・トヨタ・レーシングは、早々にO.パニスが6周目、C.ダ・マッタも7周目には、レインタイヤへと交換のためにピットイン。ところが、ほどなく雨はやみ、2台共、再びドライタイヤへと交換にピットインを余儀なくされ、14位と15位へと大きく順位を落としてしまった。その後も、気まぐれな雨に翻弄されたレースとなったが、追い上げを見せていたO.パニスは、28周目に無念のコースアウト。惜しくもレースを去ってしまった。一方、C.ダ・マッタは、タイヤ交換が裏目に出て6回ものピットインを行う苦しいレースとなったが、完走わずか11台のサバイバルレースを9位でフィニッシュ。悔しい結末となったパナソニック・トヨタ・レーシングは、雪辱戦となる最終戦日本GPへ向け、万全の体制を整える。
優勝は、M.シューマッハ(フェラーリ)であった。
クリスチアーノ・ダ・マッタ: #21 9位 71周/73周 シャシー:TF103/02
「レース序盤に雨が降り出し、早めのタイヤ交換をするリスクを冒した。しかし、ウェットコンディションは長くは続かず、瞬く間に路面は乾き、再度、ドライタイヤに交換しなくてはならなかった。これで1周遅れとなり、再び、雨が降りだした時、事実上、我々のレースは終わってしまった。さらに、再度、ピットストップした際、ピットレーンの制限速度違反でドライブ・スルーのペナルティーを受けたが、すでにかなり順位を落としていたので、それほど影響はなかった。この週末を通じて“TF103”は、高い競争力を発揮していただけに、ポイントを獲得できず、本当に残念だ」
オリビエ・パニス: #20 リタイア 27周/73周 シャシー:TF103/08
「金曜日から最好調で、予選3番手に付けるという素晴らしい仕事を成し遂げた。そして、最高のスタートを切り、2位で第1コーナーを通過した。そのまま、当初の戦略通りに進んでいれば、今日の決勝レースで上位入賞を果たせたと思う。しかし、本来2ストップ戦略で19周目に最初のピットインを行う計画だったが、雨の降り始めに急遽戦略変更をした。リスクを承知の上で、レインタイヤで走行したが、残念なことに、これは間違いだった。その後、他車との接触によるフロントノーズの交換でピットインを強いられたが、すでに順位は後退していた。挙句、滑りやすいコンディションでスピンを喫し、レースを終えることになってしまった。この週末を通じ、我々は、確実に多くのことを学んだ」
チーム代表 オベ・アンダーソン:
「ひと口で言うと、今日のアメリカGPは、パナソニック・トヨタ・レーシングに試練を課す1日だった。雨の降り始めでリスクを冒したが、報われなかった。我々は、レース中の天候変化と予測不可能な状況に直面するのは、初めてであり、すべてが学習過程での重要な課題でもある。鈴鹿での日本GPを間近に控え、トヨタの地元で今シーズンの挑戦を締めくくるべく、チーム一丸となって臨む」
ゼネラルマネージャー 高橋敬三:
「天気に翻弄されたレースだった。ドライタイヤとレインタイヤの交換が裏目に出てしまい、クルマの調子が良かっただけに、本当に悔しい。今季のチャンピオンシップ争いも残り1戦となってしまったが、凱旋レースとなる日本GPにすべてをかける。エンジン、空力部品ともに鈴鹿サーキット用に準備したので、万難を排して、今日の屈辱を晴らす」
<アメリカGP決勝>
天候: 曇り時々雨
路面状況: ドライコンディション/ウェットコンディション
T-CAR:TF103/07(クリスチアーノ・ダ・マッタ仕様) スペアシャシー:TF103/04
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