第16戦 日本GP 2003

2003年10月07日(火)

オリビエ・パニス - 日本GPに向けて

アメリカGPは、パナソニック・トヨタ・レーシングチームにとって本当に残念な結果となってしまったが、高い戦闘力を示していた。毎回TF103の力を出し切ることは難しいけれど、アメリカGPでは全てが快調であれば競争力に優れていることが証明できたと思う。

インディアナポリスのコースレイアウトは、僕達のクルマの性能を十分に引き出せるものだったけれど、それだけでなく、土曜日の予選は、シーズン中でもそう何回もない、すべてがうまくいったものだった。僕達はシーズンを通してTF103の開発にあたっても厳しい仕事をしてきている。新しいスペックのエンジンと空力、そしてミシュランタイヤの大きな性能向上の成果として、インディアナポリスで僕が予選3番手という結果を出すことができたし、それは関係者全員の努力の成果でもある。

僕達は常にあらゆる部分において性能を向上させなくてはならない。だからこそ、前回のレースでは完走できなかったことは残念だったが、その結果にめげず心意気も新たに、今週末の日本GPには気分を高めて臨むつもりだ。トヨタだけではなく、僕達の多くのスポンサーにとってもホームグランプリとなる今回、絶対に良いレースをしてみせたいという決意は固い。

ハードウエアとして僕らのパッケージは、鈴鹿にマッチしていると思う。また新たなスペックのエンジンが投入されるし、空力面でも新しい試みがされるので、とても期待している。

ドライビングの面で鈴鹿は、ものすごく攻めがいのあるコースだ。すべてのコーナーでテクニックが要求される。低速コーナー、逆バンクコーナー、長いストレート、僕が得意としている高速で方向を変えるセクションなど。スパ・フランコスシャンのコースに似ていると思う。

日本のファンはとても熱心で、レースに関する知識も豊富だから、雰囲気も最高だ。イベント開催中は朝早くから夜遅くまで常にグランドスタンドは満員。クリスチアーノ、そして僕にとってもトヨタの一員としての初の鈴鹿は、日本のファンに囲まれてエキサイティングなものになるだろう。

クリスチアーノと僕はレース一週間前の先週末に日本に到着し、鈴鹿入りするまで多くのイベントに参加した。日曜日は、トヨタのショールームの中でも世界一大きな「メガウェブ」で、ファンを前にしてTF103のデモランを行い、レースに向けてファンの皆さん、チーム、そして自分自身に対しても、全力を尽くして頑張るという意欲をみなぎらせることができた。

鈴鹿は、コンストラクターズ選手権5位をかけた激しい闘いの場となる。チームは現在8位だけれど、5位からはわずかに5ポイント差の状況なので、そのポジションを得るためには攻めていくつもりだ。もちろん僕達のシーズンを通した目標、予選10番手以内、決勝でのポイント獲得ということも含めて頑張りたい。