第16戦 日本GP 2003

2003年10月15日(水)

クリスチアーノ・ダ・マッタ - 日本GPを終えて

日本GPは、パナソニック・トヨタ・レーシングにとって素晴らしいレースだった。
オリビエと僕は予選で速さを見せ、そして僕がチームのホームレースの決勝で7位フィニッシュという、立派な結果を残すことができた。

鈴鹿のサーキットは本当に印象的だった。ドライバーとしてフォーミュラ・ワンの経験を積むなら鈴鹿を走らなくてはダメだ。鈴鹿のコースは本当に速い。高速コーナーでは、空力が働いてものすごいグリップが発生する。鈴鹿は真のドライバーのためのサーキットで、そのコースを攻めることがとても楽しかった。

結果は良かったけれど、僕達のレースウィークが必ずしもスムーズに進んでいたわけではなかった。金曜日にセットアップの問題がいくつかあって、それが原因で最初の予選では早いタイムが出なかった。オリビエが13番手、僕が14番手とタイムも悪く、クルマのバランスは2人とも満足できる状態ではなかった。

チームは金曜日の夜に問題の究明をして、土曜日のフリー走行でたくさんのセットアップ変更を実施、それが功を奏した。トラクションが良くなって、コース上にタイヤのゴムが付着するに従って、それがもっと良くなっていった。鈴鹿のコースはどのくらい使われて来たのか知らないけれど、僕達が到着した時は、新しいコースのようだった。

予選3番手というポジションにはドキドキした。そしてセッション後の予選トップ3記者会見のことなんか全然考えてなかった。初めての経験だったけれど、来シーズンはぜひ出席することに慣れているといいな!
僕の予選アタックラップは良かった。もう少しタイムを出せたかなと思うけれど、鈴鹿で完璧な走りをするというのはすごく難しい。S字コーナーを抜けるときにコンマ何秒か損したけれど、とてもクリーンなラップを刻むことができた。

決勝でも良いレースができたし、クルマの状態もずっと良かったので、他の上位ドライバー達とレースを楽しむことができた。それはバルセロナのレース以来2度目のことだった。ミハエル(シューマッハー)とのバトルは楽しく、ハードだったけれどフェアな戦いだった。僕達にとってすべてのポイントはとても重要だったので簡単に抜かせるわけにはいかなかったし、彼もチャンピオン争いを演じていた。そして僕はミハエルを邪魔したわけでもなく、とても楽しかった。

冬に突入する前に良い結果でシーズンを締めくくるということは、チームにとって士気も上がるし大切なことだ。全体的にはチームにとって今シーズンは良い一年だったと思うし、僕にとって最初のフォーミュラ・ワンのシーズンを楽しむことができた。モータースポーツの最高峰で僕は興奮、頑張り、そして喜びを経験した。

今シーズンを振り返ると、僕自身の結果は安定感がなかったかなと思う。でも経験を積んで来シーズンは安定した結果が残せるようにしたい。少なくとも他のドライバーと同じように、今年走ったコースには経験があるから、金曜日の走行でコースに慣れるための時間を無駄に使うこともなく、すぐにクルマのセットアップにかかることができる。

今週、僕はブラジルに帰って、金曜日の朝にサンパウロに到着し、週末に2日間行われるマウンテンバイクのレースに出場する。このレースはとてもハードだけれど、僕はマウンテンバイクが大好きなので楽しみにしている。その後は、少しリラックスして、ゆっくりするつもりだ。次の仕事は、11月23日に鈴鹿で行われるトヨタ・モータースポーツ・フェスティバルに参加すること、そして、2004年シーズンの準備に取りかかる前に今シーズンを振り返り、成果を称えることだ。