第1戦 オーストラリアGP 2004

2004年02月27日(金)

クリスチアーノ・ダ・マッタ - オーストラリアGPに向けて

1シーズンを経験しているF1ドライバーとしてメルボルンへ向かうというのは、昨年とは違った感じだ。昨年の今頃は、分からないことばかりだった。いまだに少し分からないことはあるけれど、1年間の経験は大きくて、心配事はとても少なくなった。幸いに今回は何事もうまくいっている。

今年、みんなが僕に対して期待してくるだろう。でも、すでに僕は、シーズン中とオフシーズンに大きく進歩を遂げている。しかし、モータースポーツは、チームスポーツであり、常に向上させなくてはならない部分がある。

僕にとって今シーズン、本当に助かるのは、起こりうるそれぞれの状況下で何をなすべきなのかを初体験ではなく、分かっているということだ。それは、サーキットでも、サーキット以外でもあてはまる。異なったセットアップをトライしたらタイヤがどうなるかが分かるように・・・。

昨年のメルボルンのスターティンググリッド上では感動している暇もなかった。レースがドライで行われるのかウエットなのか誰にも分からなかったし、どっちのタイヤをチョイスするかでちょっとしたパニックになっていた。結果的にわれわれは、素晴らしい仕事をしたし、判断も正しかったけれど、9周目にミスしてコースアウトしてしまったのを忘れることができない。

僕はこれまでにチャンプカー時代に何度もオーストラリアでレースをしたことがある。サーファーズ・パラダイスでのレースは他のレースとは雰囲気がすごく違った。また、昨年のメルボルンで行われたオーストラリアGPでも良い思い出がある。この地方も街も好きだし、僕のF1デビューの地だから、これからも忘れることができないだろう。

毎年オーストラリアGPは、クルマの信頼性が重要なレースだ。多くのクルマが信頼性の面でトラブルを抱え、そして例年完走するクルマが少ないので、その後のシーズンとは異なった様相を呈するレースでもある。今シーズンの調子がどうかを判断するためには多くの異なったタイプのサーキットを経て、少なくとも5レース後を待たなくてはならない。みんな初戦を重要視するけれど、今シーズンは18レースで選手権が行われ、その中の1レースでしかない。うまくシーズンのスタートが切れればそれに越したことはないけれど、ダメだったとしても、それが決定的なことではないんだ。

今年僕らはアルバートパークでどのようなパフォーマンスを示すことができるだろうか。シーズン前のテストでライバル達がどうだったか具体的に知らない。だから実際に誰かと対するまで自分たちがどのくらいのポジションにいるのかは比較できない。われわれのマシンは、信頼性の面でかなり進歩し、これはメルボルンでは重要なファクターなのでポイントゲットも夢ではない。

2004年の新しいレギュレーションの中で最も重要なのはエンジンに関するもので、レースイベント中エンジンを交換すれば、スターティンググリッドを10グリッド後退させられることになる。ということは、エンジントラブルは許されないし、もしトラブルが発生すれば、大変なことになる。他のチームに関しては分からないけれど、トヨタに関してはこれまで信頼性の面でエンジントラブルは少ないので、金曜日に走行を制限することはなさそうだ。エンジンの信頼性を心配するよりも、タイヤの使用数を気にしなくてはならない状況だ。

新たに土曜日に2回予選が行われるけれど、これに関しては大した違いはない。昨年と同じように予選をするだけだし、予選と予選の間は、ただ座って待っているだけだ。

なんと言っても2004年シーズンの最初のレースはファンにとってもドライバー、チームにとっても同じようにエキサイティングなものだ。そして注目されるトヨタのF1における3シーズンのスタートにわれわれは、全力を尽くす。