第1戦 オーストラリアGP 2004

2004年03月10日(水)

マイク・ガスコイン - オーストラリアGPを終えて

パナソニック・トヨタ・レーシングのスタッフにとってオーストラリアGPの12位、13位は、われわれが目指しているものとはかけ離れていただけに残念な結果だった。しかし、速さを示せなかったが信頼性があったという点は、ポジティブな要素だった。古いモーターレーシングの格言に<トップでフィニッシュするためには、まずレースをフィニッシュしなくてはならない>というものがある。

予選ではオリビエのクルマに電気系のトラブルが発生した。これによって彼は2回目の予選に出走できなかった。今やアクセルは電気的に制御されているので電気系にトラブルが発生するとエンジンがかけられなくなってしまう。

ハンドリングの点では、両ドライバー共にTF104は、アルバート・パークにおいて安定していてバランスはとても良かったと言っていた。問題だったのは空力的にもタイヤからも充分なグリップが得られなかったことだった。

グリップ不足で走行中にラインを外れてしまってタイヤかすやほこりをタイヤが拾ってしまいよりグリップを失い、レース中に状況が悪化してラップタイムが落ち、トップから2周遅れとなったが、見た目より状況は悪くなかった。

われわれは、今後いくつかのグランプリでほとんど毎戦ごとに多くの開発スケジュールを決定しているので、私は一気にクルマは良くなると確信している。マレーシアでは、新しいフロントウイングとフィンを投入し、バーレーンでも新たなパーツを用意している。イモラまでには新しいパッケージが完成する。

エンジンに関しては、全く問題がなかったことを申し上げたい。エンジンのテクニカルディレクターであるルカ・マルモリーニとスタッフは、F1で最高のエンジンに仕上げってくれたと思っている。問題は、シャシーであり、特に空力だ。しかし、われわれは、すでに改良のプログラムを開始しており、全員が全力を尽くしてフロントグリッドに立つべく働いている。

チーム内では、長期的な視点で開発を考え始めている。例えば、TF104プロジェクトマネージャーという役職をつくって、それにチーフデザイナーのグスタフ・ブルナーが就任して2005年のクルマの設計に専念することとした。

タイヤの性能を引き出すことで、われわれはオーストラリアの結果より良いレースができるとは思うが、これだけでは毎レース向上していかない。われわれは、風洞実験室やデザインオフィスで改善作業を進めている。

サードドライバーの走行が可能ではあるが、土曜日のみに行われる予選と1レース1基のエンジンのみの使用という新たなルールが、充分なテストを行う時間を制限させている。リカルド・ゾンタは電気系のトラブルで42周しか走れなかったが、有益な走行を行ってくれた。彼のインフォメーションは特にタイヤチョイスでとても重要だった。マレーシアにおいても彼は頑張ってくれることを期待している。熱いコンディションのマレーシアは、オーストラリアのケースよりもわれわれのミシュランタイヤにマッチしている。