第2戦 マレーシアGP 2004

2004年03月16日(火)

クリスチアーノ・ダ・マッタ - マレーシアGPに向けて

パナソニック・トヨタ・レーシングにとってオーストラリアGPの結果は、本当にフラストレーションのたまるものだったのは、言うまでもない。GP前に、他チームとの差がどの程度あるのかは分からなかったけれど、予選13番手。決勝はトップから2周遅れの12位、というのは、ものすごいフラストレーションだ。われわれが成すべきことは、できる限り早い時期に全力を尽くして現状を挽回することだ。

これからの数戦は、苦しい戦いとなることは覚悟しなければならない。しかし、マレーシアでは、新しい空力パーツが投入されるので、状況は少し良くなるだろう。だが、今成すべきは目前の作業をひとつひとつ消化して状況を良くして行くことだ。

1月のテストの段階からクルマの信頼性は、とても高いことは分かっていた。RVX-04エンジンも素晴らしいことをオーストラリアで証明でき、耐久性は、週末を通じて高回転で走行しても問題はなかった。われわれに必要なのは、空力によってダウンフォースをもっと得ることだ。

マイク・ガスコインとともにわれわれは、前を行くライバル達に追いつくためにシーズン中にクルマを段階的に改良して行く。まずは、ヨーロッパ・ラウンドが始まる前に大きく一歩踏み出さなければならない。そして、クルマのグリップを増すために常に新しいパーツを投入して行く。

新しいルールがオーストラリアから施行され、第3ドライバーのリカルドが金曜日に頑張ってくれて早い段階でタイヤの選択ができたことは、本当に役に立った。僕とオリビエがクルマのセットアップに専念している間に、リカルドが異なるコンパウンドのタイヤテストを繰り返して行ってくれた。

僕にとっては、連続して予選を行うことは、決勝に向けてのわれわれの取り組みに変化をもたらすものではなかった。しかし、最終的には皆同じ条件なのでベストを尽くすしかない。マレーシアでは新しい空力パーツが投入され、コースのレイアウトと天候もわれわれに有利になるに違いない。

マレーシアのサーキットは高速タイプで長いストレートが点在することから、エンジン性能がクローズアップされる。エンジンの性能はわれわれの強みだ。気温が高いマレーシアではミシュランタイヤにとっても有利だ。われわれにタイヤを供給してくれているミシュランは常に高温のサーキットで好成績を残している。

セパンは、昨シーズン僕がドライブした中でも素晴らしい新サーキットのひとつだ。近代的な感じがして、面白い複合コーナーとふたつの長いストレートがある。コース幅が広いのでパッシングポイントが多い。

僕は、暑さや湿度には慣れているから昨年のレースではそれほどきつくはなかった。レース前は節制しているのでコンディションはいつも同じだけれど、マレーシアの前にはアジアに滞在して順応できるようにしている。ブラジル人にとってはヨーロッパの涼しい気候に慣れる方が難しいくらいだ。

オーストラリアGPを終えて、月曜日にオリビエと僕は今年行われる中国GPの事前記者発表のために上海へ飛んだ。その後、シンガポールへ行ってチームのトレーナーとマレーシアに向けてのトレーニングをした。この数週間は、強行スケジュールだったので、集中力を高めるためにこの時間は有効だった。次のレースに向けて気分も一新、気持ちも盛り上がってきた。
日本の人が言うように僕も「Gambari masu! (頑張ります!)」