第2戦 マレーシアGP 2004
2004年03月25日(木)
オリビエ・パニス - マレーシアGPを終えて
マレーシアGPでは開幕戦のメルボルンに比べパナソニック・トヨタ・レーシングは、格段に良い結果を遂げると信じていたけれど、僕自身は複雑な気持ちだった。
オーストラリアでは、全体的にクルマのグリップが不足していて、クリスチアーノも僕もTF104の実力を出せずに苦しんだけれど、チームは本当に頑張ってクルマを良くしてくれた。F1の世界に10年身を置いている僕が言うから間違いないのだけれど、チームのベース基地から遠く離れたふたつのレースで空力の開発をここまで進められたというのはすごいことなんだ。
セパンでの金曜日、最初の練習走行でグリップが全然違うのを感じた。これは、新しい空力パーツのフロントウイングとターニングベインの直接的な効果と、セパンの高温が僕らのタイヤサプライヤーであるミシュランにマッチしていたからだ。メルボルンとは雲泥の差の状況で幸先良いスタートを切れて、気分が良かった。
しかし、予選は不運にも残念な結果だった。土曜日の予選前、午前中に行われた練習走行では、クルマのバランスもハンドリングもとても良かったので僕らは予選結果に期待していた。1回目の予選では感じがあまり良くなかったので、調整して決勝グリッドを決定する重要な2回目の予選に備えた。ところが、クルマはものすごくオーバーステアーになってしまい、人並みなタイムを出すのも不可能だった。当然14番手グリッドには満足していないけれど、クリスチアーノは頑張って、素晴らしい10番手のグリッドを得た。
決勝レースも波乱続きだった。14番手からスタートを決めて1コーナーまでに10位か11位ぐらいまで順位を上げられた。しかし、1周目の混雑で誰かに後ろから追突されてスピンしてしまったんだ。これによって再び後続集団に埋もれてしまったけれど、そこから順位挽回劇が始まった。うまいピットストップ作戦で順位を上げて行き、残り12周の時点で10位を走行していた。そこで無線の調子が悪くなってしまって不必要なピットインをしてしまったんだ。これで僕のレースは終わった。ピットレーンを走行中に時速100キロの規定速度オーバーまでしてしまい、ドライブスルーペナルティを受けてしまった。言うまでもなく、がっかりだったよ。
クリスチアーノが9位に入ってくれて、僕らがポイントゲットできる力を持っていたことが証明できたと思う。だからこそ僕のチャンスが不意になってしまったのが残念でしょうがない。
でもオーストラリアからマレーシアという短時間にライバルと渡り合うまでになった事はすごい。だから僕はバーレーンが楽しみだ。バーレーンのコースは実際に見たことはないけれど、レイアウト図を見るとテクニックが必要なコースのようだ。新しいサーキットにチャレンジするのは好きだからバーレーンでは良い結果を出すべく全力を尽くすよ。
まだシーズンは始まったばかりで16レースが残っている。パナソニック・トヨタ・レーシングのスタッフは僕らをフロントローへ押し上げるべく努力してくれている。クルマ開発の方向性は見えているからシャシーのテクニカルディレクター、マイク・ガスコインと一緒に開発するのみ。そして僕にはそれをすぐに達成できる自信があるんだ。
- トヨタ自動車 モータースポーツ カーレースカテゴリー