第6戦 モナコGP 2004

2004年05月23日(日)

モナコGP - 決勝レポート

パナソニック・トヨタ・レーシングは、アクシデント続出のモナコGPでクリスチアーノ・ダ・マッタが6位、オリビエ・パニスが8位となって2台共にポイントゲットを成し遂げた。

グリッドに着いたパニスのエンジンが止まってしまい、最初のスタートはやり直しというドラマチックな展開となった。1996年の覇者であるパニスは、ピットスタートを強いられることとなった。

決勝中2回セイフティーカーが導入された。最初のアクシデントは、ハーバー前で起こった。前車のエンジン故障で吹き上げられた煙で視界を失ったクルマにザウバー・ペトロナスのGフィジケラが乗り上げてしまい転倒。幸いフィジケラにはケガはなかった。

2回目は、モナコの名物であるトンネルで起きたFアロンソのアクシデントだった。アロンソにもケガはなかった。正に土曜日にパニスが「モナコでは何が起こるか分からない」と言ったようなモナコの典型的な消耗戦となってしまった。

トヨタチームには、なおもドラマが起きた。ダ・マッタがJバトンの走行を妨げたとしてドライブスルーペナルティーを受けてしまった。

「たぶん今シーズン最高の決勝ペースで走行することができた。6位で2004年の選手権ポイントを3つ加算できたが、もっと良い結果は得られただろう。クラッチトラブルが発生し、2回目のピットストップでタイムロスしてしまった。また、青旗を無視したとしてドライブスルーペナルティーまで受けてしまい本当に悔しい。間違ったペナルティーによってわれわれは大きな損失を被ったと思うので、青旗が出されていたときの状況を調査してほしい。6位でゴールできたけれど、4位には行けてたはずだ」とダ・マッタはコメントしている。

「スタートで2回エンジンがストップしてしまったにもかかわらず8位でゴールできたのはとても素晴らしい。スタートのトラブルに加えて、モンテカルロでは致命的なブレーキに深刻な問題を抱えながら走行した。しかしトヨタ全体にとって2台共にポントを獲得でき、マクラーレン・メルセデスチームに1ポイント差でコンストラクター選手権で7位に上がったことが僕にはとてもうれしい」とパニスはコメントしている。

チーム代表の冨田 務とシャシー担当テクニカルディレクターのマイク・ガスコインは、ダ・マッタのドライブスルーペナルティーについて彼を擁護している。

「これまでトヨタはFIAの決定を常に受け入れてきたが、スペインGPの後、青旗の件に関して異議を申し立てている。よって、公平なものでは無かったと思われる矛盾の多い今日のレースを残念に思う」と冨田代表はコメントしている。

ガスコインも加えて「青旗に関しては非常に矛盾していると言わざるを得ない。クリスチアーノは青旗を提示されて次のコーナーで走路を譲っていたのにペナルティーを課せられた。しかし、周回遅れのRシューマッハーがわれわれの前を2、3周走行していたのに何のお咎めもなかった。彼らが前にいたときのルールとわれわれに対するルールが異なっているようだ」とコメントしている。

ドラマの結末は、ルノーチームのJトゥーリが1車身差でBARホンダのJバトンを抑えて、自身初優勝を遂げ幕を閉じた。フェラーリのRバリチェロが3位、以下、BMWウイリアムズのJPモントーヤ、ザウバー・ペトロナスのFマッサ、2台のトヨタTF104に割って入ったジョーダン・フォードのNハイドフェルドが7位に入った。

またガスコインは、2台のトラブルについて「2台共にクラッチのトラブルを抱えていた。オリビエはスタートでエンジンが止まり、クリスチアーノは2回目のピットインの際に問題が起きた。これがなかったら表彰台も可能だったかもしれない」と説明した。

ケルンを本拠とするチームはモナコでの余勢を駆って1週間後のホームレース、ニュルブルクリンクへ臨む。