第7戦 ヨーロッパGP 2004
2004年05月26日(水)
クリスチアーノ・ダ・マッタ - ヨーロッパGPへ向けて
最近のわれわれのパフォーマンスから考えると、モナコでの結果は喜ぶべきものだったと思う。15番手のスターティンググリッドから僕は良いスタートを切って1周目を終えて12番手まで順位を上げた。そして何台かがリタイヤしたことでポイント獲得圏内まで上がった。僕らのレースペースは今シーズンで最高だった。そして5番手まで上がるのはそう難しいことではなかったし、4番手のRバリチェロのフェラーリに遅れずについていけた。でも、その後不公平なドライブスルーペネルティーを課せられて、僕もチームも、もっとポイント獲得できるはずだったのにチャンスを失ったんだ。
僕の意見としては、あれは、とてもわかりにくかったと思う。僕が1周遅れのRシューマッハーの後ろをずっと走行していたとき、青旗が振られても彼は僕に抜かせてくれなかった。そして、Jバトンを抜かせるように僕に対して青旗が振られたとき、僕は即座に次のコーナーで抜かせたんだ。ところが、チームからドライブスルーペナルティーが課せられたという知らせがあって、もうわけがわからなかっよ。その結果、4位フィニッシュが可能だったチャンスを失ってしまったんだ。
次は、昨年僕らが好調な予選で共にトップ10のグリッドを獲得したニュルブルクリンクだ。昨年は、改修されたコースを金曜日に繰り返し走って、自信を持って臨むことができた。しかし、結末として、競争力のあったパッケージを持っていながらも、僕らは完走することが出来なかった。僕のポイント獲得のチャンスは、最初のピットストップの直後、シケインを通過したときに支柱でフロントウイングを壊し、交換するために再びピットインしなくてはならなくなったことで失われた。最終的には、ピットストップを1回余計に行ったこと自体は、大きな打撃にはならなかった。というのも、ゴールまで4周というときに油圧が低下してしまい、シーズンで唯一のエンジントラブルが発生してしまったからね。トヨタにとって、好結果が得られるチャンスだっただけに残念な結末だった。
ヨーロッパのサーキットの多くがそうであるように、ニュルブルクリンクもメカニカルグリップとトラクションが要求される、最大ダウンフォースのサーキットでバラエティーに富んだ低、中速コーナーとストレートが組み合わされたレイアウトになっている。僕はこのコースで1996年にF3000のレースをしているけれど、昨年、第1コーナーが改修されていたので昨シーズンに再び覚え直さなくてはならなかった。金曜日の練習走行ですぐに速さを示すことが出来たけれど、僕の好みから言えば、改修後のインフィールドセクションは、遅すぎると感じたね。
モナコのレースを終えて、チーム全員の志気は高く、ニュルブルクリンクでTF104の性能をもっと引き出そうと決意も固い。でも、モナコと同じような結果が出せるかといったら、それは間違いで、運も味方してくれた結果の4ポイント獲得であり、あれが現在の実力とは言えないと思う。いまは、力一杯頑張って、最初の練習走行の結果がどう出るかを見ていきたいと思っているよ。
モナコでは全員が頑張ったおかげで、僕らが得意とは言えないデコボコで高いダウンフォースが必要なサーキットであったにも関わらず、まずまずの競争力を示せた。もちろん、これには自信を持っていいと思うけれど、僕はどちらかというと、現実的に状況を見据えたいので、今回はあえて目標は設定しないことにするよ。
レースとレースとの間が実質3日しかなくて、テストが出来ないということで、基本的にはモナコと同じクルマがニュルブルクリンクに持ち込まれる。重要になってくるのは、練習走行中にいかに迅速に調整を実施してクルマのセットアップも決定し、そこからどう展開していくかを見ることだ。
ヨーロッパGPは、トヨタF1の本拠地ケルンから車で45分のところで行われる。だから、まさにチームにとってはホームレースだ。工場の全員が、サーキットに行ってグランドスタンドから観戦してくれるから、僕らには強力な応援団がついている。日曜日の午後には、応援に来てくれた皆を盛り上げるよう、頑張らなければならないね!
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