第11戦 イギリスGP 2004
2004年07月10日(土)
イギリスGP - 予選レポート
パナソニック・トヨタ・レーシングのクリスチアーノ・ダ・マッタとオリビエ・パニスは今年のF1世界選手権第11戦、シルバーストーンで行われるイギリスGP決勝を各々12番手、19番手のグリッドからスタートする。パニスは総合12番手のタイムを出しながらザウバーのFマッサの予選走行を妨害したと判断された。
FIAの審査委員はパニスの予選タイム抹消を決定。しかしながら、パニスは第2セッションの予選に出走しなかったザウバーのGフィジケラの前のグリッドからスタートを切る。
パニスは、タイムアックを終えて、ゆっくりとピットに戻っていて、FIAスポーティングレギュレーションの第120条に違反したと判断された。
「予選タイムが無効にされたことに不満だし、本当に残念だ。すごく頑張って最高のアタックができたし、あの位置なら明日の決勝に向けた作戦も順調だった。チームとのコミュニケーションがうまく行かなくて、マッサを発見するのが遅れた。でも、すぐに走行ラインを変えたんだ。ザウバーチームには申し訳ないことをしてしまったが、全く故意じゃないし、彼の走行を妨害しようなんてしていない。審査委員達の裁定にはとても困惑している。今となっては明日の決勝は厳しいものとなる。でもいつものように頑張るしかない。」とパニスはコメントしている。
スターティンググリッドを決定する最終予選の走行順位を決める、重要な第1予選では信じがたい光景が見られた。何人かのドライバーが故意にゆっくりと走り、雨が予想された第2予選を早めの順番で走れるようにしていた。コースを大回りしたり、わざとスピンしたり。これは、国際スポーティングコードの第151条C<モータースポーツ全般に対して興味を損なう行為>に抵触すると見なされてもしかたない。
今シーズン、最も混乱した予選の後にダ・マッタは「結果的には雨に中断されることなく全員が予選を行うことができた。そして、我々は初日練習走行後のデータ解析における、皆の頑張りを活かし、ベストを尽くせた。クルマのフィーリングはとても良くなったが、競争が激しいから明日の決勝は、また厳しいレースとなると思う。明るい材料は、ホッケンハイムでデビューする改良型のクルマが期待できること」とコメントしている。
ダ・マッタが言っていたように、予想された雨も降らず、マクラーレン・メルセデスのKライコネンが1分18秒233で昨年のアメリカGP以来のポールポジションを獲得した。フェラーリのRバリチェロが1分18秒305で2番手、地元のヒーローJバトンは、最終走者としてドライでアタックできるか出番を待ちながらヤキモキしたが、1分18秒580で3番手となった。これまで9勝しているMシューマッハーは1分18秒710で4番手、ルノーのJトゥルーリが1分18秒715で5番手、チームメイトのFアロンソが1分18秒811をマークしたが土曜日朝の練習走行の後にエンジン交換を行ったので、グリッド順位を10番手下げられる。
異様な予選日を振り返ってマイク・ガスコインは「マッサがコースのどこにいるかを、きちんと教えられなかったことをオリビエに謝らなくてはならない。しかしながら、オリビエはすぐに走行ラインを変えたし、我々は、マッサがレーシングラインを走行し、じゃまにならなかったのが明白であることを審査委員会にも証明した。オリビエのタイム抹消という審査委員達の決定に対しては、本当にがっかりしているし、厳しすぎると感じている。個人的な見解としては、予選第1セッションでいくつかのチームが明らかに本気で走行していなかったことに、ペナルティーを与えるべきだと思う。今日シルバーストーンにつめかけてくれた大観衆の前で第1セッションは恥ずかしいものだった。せめて、第2セッションは楽しんでいただけたことを望んでいる。第1セッションでファンをがっかりさせ、さらに、両セッションで全力を尽くして観客を楽しませた数少ないドライバーに対してペナルティーを課すとは本当に信じられない。本当に残念な裁定にもめげず、オリビエが明日良いレースをし、ポイント獲得をしてくれることを期待している」
- トヨタ自動車 モータースポーツ カーレースカテゴリー