第11戦 イギリスGP 2004
2004年07月11日(日)
イギリスGP - 決勝レポート
パナソニック・トヨタ・レーシングは、シルバーストーンで行われたイギリスGPで、オリビエ・パニスは16周でリタイヤしたが、クリスチアーノ・ダ・マッタが13位でフィニッシュした。
ダ・マッタは、オープニングラップを予選の順位と同じポジションの12位で終了。そして、レースは終始ハードなものとなった。ダ・マッタは、2ピットストップ作戦をとり、60周レースの15周目と37周目にピットインを行った。現状のTF104として最後のレースとなるが、高い信頼性を示しながら、残念にも、ポイント獲得には至らなかった。
「レース終了まで15周となった時のセイフティーカー導入は、われわれにとっては不運であった。この間に3ピットストップ作戦を採っていたクルマ達は、それほどタイムロスすることなくピットインを行えた。これによって、僕が戦っていたマルク・ジェネや佐藤琢磨から1周の差を着けられてしまった。13位は喜べないけれど、良いレースができたと思う」とダ・マッタはコメントしている。
パニスは、ザウバーチームのドライバーを予選中に妨害したと判断されてグリッドの後方からスタートするという悪い状況から週末は始まった。
「チームとのコミュニケーション不足だった、そして、起きてしまったことに対しては申し訳ない。でも予選タイムを抹消されたのには困惑している。ミナルディ2台の前、17番手グリッドという後方からスタートして、最初から厳しい決勝となった。僕は、全力を尽くしたけれど、車内に消火器が噴出してしまって、絵に描いたような最悪の週末は終わった。消化剤がヘルメットのバイザーやステアリングなどそこら中に噴出されて、最後はグラベルに突っ込み、レースを終えてしまった。僕らは今、ホッケンハイムに期待していて、TF104Bがトップチーム達との差を詰める最初のステップとなることを望んでいる。今日マクラーレンが新型車でこれまでの不振を払拭した。僕らは、改良型車両に過大な期待をかけすぎかもしれないけど、大きな前進を遂げなくてはならない」とパニスはコメントしている。
フェラーリのMシューマッハーがグランプリ80勝目を達成。Jトゥルーリのハイスピードアクシデントによってセイフティーカーが導入されたレースで、チームメイトのRバリチェロが3位、マクラーレン・メルセデスのKライコネンがフェラーリに割って入り2位となった。幸いトゥルーリは無傷だった。地元のヒーローBARホンダのJバトンが4位、BMWウイリアムズのJPモントーヤが5位、エンジン交換によってピットレーンからスタートしたザウバー・ペトロナスのGフィジケラが健闘して6位、以下、マクラーレンのDクルサード、ジャガーのMウェーバーの順。
シャシー担当のテクニカルディレクター、マイク・ガスコインは「度重なる困難によってレースはまたしても大変だった。オリビエは唯一ミシュランのソフトタイヤを装着したが、最初のスティントまでにその効果はなかった。そして、消火器のトラブルによってチャンスを失った。われわれは次のホッケンハイムで改良型のクルマを手にする。来週シェイクダウンテストを行うけれど、ドイツGPの現場で多くのパーツが初めて搭載されるので、ぶっつけ本番という状況ではある」とコメントしている。
シルバーストーンの週末は、ミナルディチームのスポーティングディレクターJウォルトン、47歳が心臓発作によって急死したことによって暗い陰に覆われていた。ミナルディーは、彼の死を悼み、一切のスポンサーロゴをクルマから排除してパドックの人気者だったウォルトンのニックネーム、<John Boy on the car>とだけ記して走行した。
パナソニック・トヨタ・レーシングはヘレスとポールリカールで来週テストを行い、地元のイベントと言って良い、ホッケイハイムリンクで行われるドイツGPへ向けて、準備を行う。
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