第12戦 ドイツGP 2004
2004年07月23日(金)
F1第12戦ドイツGP公式練習 改良型“トヨタTF104B”初の本格走行
午後のセッションは、降雨の予報に対応し、着実にデータ収集とタイヤ選択に集中
2004年7月23日(金)(ドイツ・ホッケンハイム発)
F1世界選手権第12戦ドイツGPの公式練習がドイツのホッケンハイムサーキットで開始された。
公式練習1回目は気温29度、路面温度34度、湿度55%という真夏の太陽が照りつける炎天下で、午前11時から1時間にわたって行われた。パナソニック・トヨタ・レーシングは、オリビエ・パニスと、クリスチアーノ・ダ・マッタが、初の実戦投入となる改良型“トヨタTF104B”で、また、リカルド・ゾンタは、従来型の“トヨタTF104”のコックピットに収まり、3台体制でデータ収集とセットアップを開始。
リカルド・ゾンタは、レース用のタイヤ選択を集中して行い、1分16秒340の4番手。オリビエ・パニスは、改良型“トヨタTF104B”に新開発の空力部品を初装着して、1分16秒484の6番手、クリスチアーノ・ダ・マッタは、事実上シェイクダウンとなる“トヨタTF104B”で1分17秒111で12番手のタイムを刻んだ。その後、2時間のインターバルを挟んだ公式練習2回目は、午後2時から1時間行われたが、セッション中に降雨の予想もされたため、ユーズドタイヤを装着して、セッティングが進められた。結局、予想外にドライコンディションのままで終始した公式練習2回目では、リカルド・ゾンタが1分16秒200の10番手、クリスアーノ・ダ・マッタが1分17秒300で18番手、オリビエ・パニスが1分17秒419の19番手で、明日午前中に行われる公式練習3回目、4回目と、午後の予選へと臨むこととなった。
クリスチアーノ・ダ・マッタ : カーナンバー16 シャシー:TF104/10B
公式練習1回目: 12番手 1分17秒111(トップと1.355秒差) 21周
公式練習2回目: 18番手 1分17秒300(トップと2.299秒差) 26周
「我々は、午前中のセッションで、改良型“TF104B”のセットアップを行う前にタイヤの比較テストを行った。その結果、午後のセッションでは、ニュータイヤでの走行はしなかったので、公式練習2回目のタイムは、それを物語っている。改善された空力部品のほとんどは、今日初めて装着されたもので、本来のパフォーマンスの真価を語るのは難しい。セットアップが進む中で、真価がはっきりすると思うが、さし当たって、明日午前中の公式練習で、多くの課題をこなさなければならない」
オリビエ・パニス : カーナンバー17 シャシー:TF104/09B
公式練習1回目: 6番手 1分16秒484(トップと0.728秒差) 20周
公式練習2回目: 19番手 1分17秒419(トップと2.418秒差) 23周
「改良型“TF104B”のシャシー、エンジンに、新しい空力部品を組みつけたパッケージで、初めての本格的な走行となり、難しい公式練習初日となった。我々は、セットアップと、新しい部品を試すために多くの時間を要し、それを2時間の走行時間に凝縮するのは、難題であった。さらに、明日のためにも、多くのデータを一晩で分析する必要がある」
リカルド・ゾンタ : カーナンバー38 シャシー:TF104/03
公式練習1回目: 4番手 1分16秒340(トップと0.584秒差) 36周
公式練習2回目: 10番手 1分16秒200(トップと1.199秒差) 38周
「多くの周回を重ねることが出来、成果のあがった1日だった。我々は、素早くバランスのとれたセッティングの方向性を見出すことが出来、さらに、2種類のタイヤコンパウンドを比較するために、ロングラン走行も行った。終盤には、手応えのある結果も得られ、従来型の“TF104”から得られたタイヤのデータ等が、改良型“TF104B”に活かせるものと確信している。また、“TF104B”は、さらにダウンフォースが得られているので、今日ユーズドタイヤを使用したパフォーマンスよりは、はるかに、ミシュランタイヤの性能を発揮出来るはずだ」
マイク・ガスコイン :シャシー担当 テクニカルディレクター
「2人のレースドライバーは、共に午前中はタイヤ比較を行い、午後はユーズドタイヤで走行した。“TF104”と“TF104B”のタイム差は、あまり現れてはいないが、公式練習2回目は、バランスを取ることと、新しい空力部品の改善に時間を費やし、作業は順調に進んだ。一方、リカルド・ゾンタは、タイヤ評価に専念し、明日へと体制を整えた。きっと“TF104B”の戦闘力を証明出来ると思う」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「午後のセッションで雨が降ると予想したため、午前中にニュータイヤでの性能テストを実施した。また、午後は、ユーズドタイヤでの、レースを見据えたロングラン走行を行った。“トヨタTF104B”については、まだ、セットアップは充分ではないが、データを集積出来て、手応えを得られた」
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