第12戦 ドイツGP 2004

2004年07月25日(日)

ドイツGP - 決勝レポート

改良型のTF104Bは、ドイツGPで困難なデビュー戦を迎えた。オリビエ・パニスとクリスチアーノ・ダ・マッタの両ドライバー共にトラブルに見舞われ、クルマ本来のポテンシャルを実証することなく、ホッケンハイムでは、14位という成績のみを得ただけだった。

初めて装着された空力パーツを、初日にテストしながら改良することで、パニスは9番手の予選ポジションを獲得。チームはこれに大きな期待を抱いた。しかし、不運にもフォーメーションラップ後に彼はエンジンを止めてしまい、最後尾からの決勝スタートを余儀なくされた。

「皆が頑張ってくれた後にこのようなことになってしまったことが、どれほど悔しいかを分かってもらえないと思うけど、僕は、安定したタイムで走れるロングランを披露することを楽しみにしていたし、ポイント獲得ができるとも思っていたんだ。今回のレースで唯一、前向きに思える点は、他車に引っかからない時に、良いペースで走れることを披露できたことぐらいだ。」とパニスはコメントしている。

TF104Bの進歩は、パニスの決勝ベストタイムが4番手の1分14秒247で、決勝中のベストタイムを叩き出したKライコネンの1分13秒780に、コンマ5秒以内に迫っていたのを見ても明らかだった。

ダ・マッタは、問題含みの予選で15番手からのスタートとなり、困難なレースに直面した。彼はうまくスタートを切り、1周目に11番手まで順位を上げた。その後も、チームは前半戦を、短めの2スティントで順位アップを狙ったが、それは全くうまく行かなかった。そして、ダ・マッタは37周を終え、第6コーナーに向かうところで、不意に起こった左リヤタイヤのパンクによって、レースを終えてしまった。

「クルマのリヤから感じる振動が大きくなり、いきなり来たため、なす術がなかった。どうして問題が起きたのかミシュランと話し、データを見てみないと・・・。僕らの決勝のペースは間違いなく速くなったのに、それを見せることが今回はできなかった」とダ・マッタはコメントしている。

Mシューマッハーが81勝目を地元ファンの前で記録し、BARホンダのJバトンがエンジン交換によって10番手スタートポジションを下げながらも、5回目の2位フィニッシュを成し遂げた。ルノーのFアロンソが3位表彰台を確保し、以下、マクラーレン・メルセデスのDクルサードが4位。JPモントーヤが5位、Aピッツォニアが7位で共にBMWウイリアムズにポイントをもたらし、ジャガーのMウェーバーが6位、BARホンダの佐藤琢磨が8位に入った。

パナソニック・トヨタ・レーシングのシャシー担当テクニカルディレクターのマイク・ガスコインは「全体的には、クルマのパフォーマンスが良くなったことに満足しているが、決勝の結果にはとても残念だ。クルマの性能を良く引き出せ、望んでいた部分が改良されただけに、なおさら残念だった。両ドライバーが、単独走行の時に、ポイントを獲得したドライバーと同等のペースで走行していた。これは、われわれが以前にやれていたのと同じ状況になったことを意味する。われわれは、ここで、パフォーマンスをアップでき、また、モンツァ向けの別パッケージもあるため、ポイントの獲得には自信がある。しかし、本当に悔しいのは、それがこのレースでできたのに、ダメだったことだ」とコメントしている。